Umskiptar
ノルウェーのブラックメタル、バーズムの2012年作
カウント・グリシュナック出所後3作目となるアルバムで、毎年作品を作り続ける創作意欲は、
あるいは彼の人生において現在がもっとも充実している時なのかもしれない。
前作で聴かせたプログレッシブな構築美とメロディ志向を引き継ぎつつも
本作ではむしろ拡散志向の芸術センスが強まり、北欧らしい土着的なメロディをまじえた
もの悲しいギターフレーズと語りのような歌声を乗せて、ゆったりと聴かせるサウンドだ。
ノイジーなギターはいかにもブルズム節であるが、9分、10分という大曲も含め、
全体的にメタル的な激しさよりも静謐感の強い作品。これはこれで好きです。
Burzum / Aske
ブラックメタルの真髄を感じたいのであれば、避けては通れない
名作ではないでしょうか。
音楽的、サウンドプロデュース的には不満の残るツクリではあると
思いますが、その独特の音世界は他の追随を許さない、絶対無二の
病的ダークな傑作に仕上がっています。
これは聞いてみないとわかりません。やっぱ、スゴイ作品です・・
Umskiptar : LIMITED EDITION DELUXE DIGI BOOK
BURZUMの新譜。
本作は、聞き手が何を求めるかによって評価が分かれると思う。
まず全編クリーンボイスで構成されている点と、BURZUMのトレードマーク
でもある、凍てついたジリジリギターサウンドが完全に消滅していることが残念。
発狂ボーカル、ノイジーなギター、不良好な録音環境が特徴の初期
陰鬱な雰囲気が充満するダークアンビエント期のBURZUMを嗜好する身としては
umskiptarでのアプローチには正直納得できない。
北欧神話のストーリーテラーとしての役割を期待する人は聞いたらいいと思う。