サニーデイ・サービス
本人たちも認める「バンドとしてのサニーデイサービス」の最盛期にリリースされた、四枚目にしてセルフタイトルの「牛盤」。
一曲目『Baby Blue』から、非常にラフでアコースティックな音の響き。この落ち着いたトーンがアルバム全体を支配していて、このアルバムならではの雰囲気を醸し出す。ビートルズやらニールヤングやらニックドレイク(『PINK MOON』!)といった昔のアーティストの枯れた味わいを器用に抽出し、表現したい雰囲気に見事に転化している。また、曲のタイトルやら歌詞の中やらにも先人からの気の利いた引用が見られる。ジャケットも『原始心母』だし。
曽我部のソングライティングは『東京』以降はずっとハイレベルであるが、このアルバムにおいてはシンプルで楽器の生々しい音が響きやすい曲をずらりと並べている。SSW的で多少地味ではあるが、非常にメロウで落ち着いた、味わい深い楽曲揃いである。また、これらの楽曲が並ぶことで作り出すアルバム一枚を通しての雰囲気も抜群。アルバム終盤で爽快なロックを二曲連発した後、『bye bye blackbird』でしっとりかつ壮大に締める頃には少し寂しくも快い味わいが残る。
ジャケットの牧場が象徴的だが、このアルバムは曽我部の全作品中でもとりわけ牧歌的な性質の強いものである。東京の地名は出て来ないし、街が出て来ない曲も多く、代わりにノスタルジックでうっすら叙情的な言葉が並ぶ。まるでどこか閑散とした風景を旅しているような、そのような寂しさと草の香りとメロウさがある。数ある曽我部作品中でもこうした切なくも綺麗な風景を想起させるサウンドとしてはこのアルバムと『MUGEN』が双頭だろう。
雰囲気作りと並んで、このアルバムのとりわけ心地良いところは、その演奏の妙にある。いなたさ全開の演奏の中でも、とりわけ日本のポップシーン史上でも類稀な弱々しさ(失礼!)を見せる丸山晴茂の、少しモタり気味でバタバタしたドラムが、間違いなくこのアルバムの演奏のグルーブの中心を形作っている。ヘタウマと呼ぶにはあまりに心地良いユルユルのタイム感がこのアルバムの牧歌的雰囲気に完全に合致しているという意味で、このアルバムはサニーデイというバンド独特のグルーブの完成を表している(これは同時にこれ以降のバンドのキャリアを苦しめることになるが)。
サニーデイのアルバムは『東京』から現在の最新作『本日は晴天なり』まで、どれも高品質でまたそれぞれの趣を有しているが、このアルバムの持つ「個性」はその中でもとりわけ特殊でそれ故に尊い。
若者たち
私が中学生の頃にシングル『恋人の部屋』を聴いてファンになり、
若いアルバムから順に聴いていこうと決めて手にしたアルバム。
一聴して『何かが他(の音楽)とdifferent・・・』と思いました。
しかしこれで演奏下手なんでしょうか…
完成度が低い……まあ確かにファンしか喜ばなさそうな曲のテーマたちだが……
そんなこんなで今わたくし音楽活動五年目なのでありました。トリツカレマシタ。
個人的には、最初には毎回再生を飛ばしていた8曲目「約束」が、
出会いから10年にしてツボです。
この後どんどん男根色とおセンチを増して行くサニーデイサービスです。
東京
邦楽で名版をお探しなら.是非これを買うべし..タイトルは東京だが.僕的には.京都の風景を感じさせます..音は流行りすたりが無いため命が尽きるまで聞ける位の名版..
現に今聞いている音楽は.beastie boys.the zutons.DJ spooky とかバラバラな感じで聞いていますが.たまに風呂に入浴剤を入れる様な感じでサニーデイの東京を発売日以降ずっときいてます.あれからどれくらい年月がすぎたのやら...これからも多分deathを聞こうがjazzを聞こうが 疲れたときには.ふかふかの布団(サニーデイ東京)で眠りにつくとおもいます.....
LOVE ALBUM
端的にいって、本当にすばらしいアルバムだと思います!
「写真が出来上がるような、そんな日々ってないかい?」
こんな歌詞がですね、いっぱい出てきます。
スギウラムという踊る感じの音楽を作る人が参加してるのですが、
それも良かった!
サニーデイさんメロディーと歌詞が、
スギウラムさんの作るビートに乗るのは、
聴いてて 「あ、これぞまさにアウフヘーベン」 と思いました。
曽日部氏の声も、これまでになく艶っぽいです。
ほとばしるメロウネスを情感たっぷりのバラッドに乗せて歌うセンシティヴ・ヴォイス。といった感じ。
声を先に聴いてから、彼のお顔を拝見すると、ちょっと驚きます。