新参者
東野圭吾作品の中でも、「加賀恭一郎シリーズ」はかなり好きなので、迷わず購入しました。
この小説の舞台は日本橋。その一角で起こった絞殺事件を調べるべく、着任したばかりの加賀刑事は日本橋界隈のさまざまな場所に出向いていきます。
ただし、「営業マンの上着」から始まり、加賀刑事の見事な洞察力はそれまでの作品同様に見ることができますが、事件そのものの真相は、それほどビックリするようなものではありません。しかしそれよりも印象深いのが、日本橋界隈の人々や、加賀刑事自身が見せる「人情」です。
全九章ありますが、第一章〜第八章までそれぞれ、加賀が訪れる日本橋の8か所が舞台となっています。そして事件の調査のために訪れた加賀が、その手掛かりをつかむ様子だけでなく、彼の働きによってそこに隠されていた人々の「大切な人への想い」が前面に出てきたり、通い合っていなかった心と心が再び交流を始める様子などが描かれ、読んでいて非常に心温まりました。どれも事件の解決に向けての「通過点」の一つに過ぎないのですが、結末が非常によく、それぞれの章がエピソードとして独立して成り立っています。そして第九章のラストも、「心を通わせていたつもりが実はそうでなかった」という点では非常に考えさせられました。
最後に、加賀恭一郎シリーズはこれの前に、
『卒業 雪月花殺人ゲーム』★
『眠りの森』★
『どちらかが彼女を殺した』
『悪意』★
『私が彼を殺した』
『嘘をもうひとつだけ』
『赤い指』★
以上があります。もちろんそれぞれ別の事件を扱っていますから、単独でも十分楽しめるのですが、他のシリーズ作品(特に★印)を読むと、加賀刑事の人物像がよくわかりますので別の楽しみ方ができます。
日本科学技術大学教授上田次郎のなぜベストを尽くさないのか
上田の日々のバカっぷりがよく分かる一冊になってます。
挿絵入りで分かりやすいです(最初はいきなり下品な挿絵でひいてしまいましたが。)
個人的にもっとトリック関連の話も入れて欲しかったのですが、結構笑えます。
ただどん超ほどの笑いは無かった。
テルマエ・ロマエ IV お風呂で読める「風呂マエ・ロマエ」付 Amazon限定版
毎回、温泉奉行ならぬ、浴場技師のルシウスが、ワープしたさきの「平たい顔族」の豊かな風呂文化にヒントを得て、古代ローマに戻り、それを似た素材で実現する面白さに喝采してきましたが、今度はついに言葉の通じる温泉芸者の美女に出会い、バツイチの彼にもやっと春がめぐってきそうです。
ラテン語をきちんと入れているのも素晴らしいし、新ヒロインが歴女、古代ローマ帝国マニアで、頭脳明晰な考古学者というのも、これからの話のふくらませ方の可能性が広がり、わくわくさせられます。
どの巻も、この濃い絵の温かさに、画面から湯けむりが漂ってくるような気がしていました。読者もお風呂に入っているような気分になれますし、今回はヒロインさつきさんが、TVやPCの画面に「震えている」ルシウスに電気の説明をするくだりもよかったです。いかづちの神ユピテルの「いかづち」の力を貯めて細分化して使う、と四苦八苦の説明に続いて、ページをめくると一ページがそのまま、迫力あるユピテルの勇姿! ルシウスの脳内はこんなふうに深く納得したのだな、と。
お風呂と温泉文化という点で、共通するもののある古代ローマと日本をタイムワープするカルチャーショック・コメディとして、最高です。
ルシウスのひたむきで純粋な驚きにつれて、わたしも日本の温泉町や水まわりの文化に目を開かれました。
今度はルシウスのほうが得手である馬文化も開幕? 牝馬に惚れられたルシウスがどうなるのか、続巻が待ち遠しいです。
〈追記〉風呂マエ・ロマエは、既刊の物語がいくつか入っているほか、専門家のつけた解説コラムや、作者と編集長との詳細な対談が読みごたえあり。体当たりの取材が面白すぎます。ちょっとつるりとした紙に印刷してあり、線の微妙な感じがまた違って楽しめます。
station
凄く良いポップ・ミュージックなんだけど、ベスト盤『Have a Good Journey』がリリースされてしまった今となっては、買ってまで聴く意味があまりないような気もする。4曲入っているし。
けれども、俺みたいに、それでもこのALを聴き続けているリスナーがいるのも事実。
ベストに未収録の後半の曲を気に入るかどうかがポイント。
ま、詰まるところ、俺は後半も好きだってことなんだけど。
幸福の黄色いハンカチ [DVD]
観るつもりはなかったのだけど、阿部さんと夏川さんのコンビなら、ということで本放送を観た。
いやいやこのお二人、相変わらずというか、いい。
演技も上手いし、高倉・倍賞コンビレベルになりつつありますな。
ストーリーは旧作も観ているので別に・・・なんだけどやっぱ最後まで観てしまいました。
濱田岳と堀北真希のコンビは、まあ上記お二人に比べるとやっぱ若いなあなんて思いましたが
まずまずというところ。
総体的には良作。観ても損しないと思います。