原子力と50年「服部禎男」大激白 「超小型原子炉」なら日本も世界も救われる!
そもそもが原爆があってから、原子力の平和利用というのが始まったが、それもアメリカで当初原爆の開発に携わった人たちの失業対策という側面があった。だから、原発は大型プロジェクトになったし、国家レベルの話になってしまった。でも、再度見直せばこんな可能性を秘めている。国家がかかわらないで、民間でできるようなそんな原発だって可能なんだと再認識しました。目から鱗です。
勝田清孝事件―冷血・連続殺人鬼 (新風舎文庫)
一体、犯人は何を求めたのか。失敗をしながらも認められ、幸せをつかんでも、それ以上に何を求めたのか。犯人をここまで駆り立てたものは何だったのか。その理由とこの悲惨な事件とのバランスがあまりにもとれていない。
著者の本はこれまでにも何冊も読んできたが、この事件を著者が取り上げたことは私にとっては良かった。
力道山の真実 (祥伝社文庫)
プロレスといえば力道山。力道山といえばプロレスという時代に僕たち団塊世代は育った。プロレスラーは力道山であり、その他のプロレスラーはその他大勢組にしかすぎなかった。
プロレスは真剣勝負であり、反則するのは悪役。それに耐えて最後まで反則をしないのが正義の味方である力道山であった。少年が青年になろうとした時期に鉄人であるべき力道山が殺された。それも、チンピラが持っていた登山ナイフでだ。
少年は大人になって、プロレスがショーであり、力道山の試合もしょーであることを知った。しかし、ショーであってもあの時の試合の迫力は八百長ではなかったと思っていた。
だが、この『力道山の真実』は、あおの時代のプロレスの総てが、八百長であり、力道山がチンピラに刺されたのも偶然でなく必然であったと書いている。
なんといっても、力道山をあの大山倍達が1年間も狙っていたとは知らなかった。大山は、力道山あ金に汚く人情のなさに怒っていたのだ。
それに、弱虫だと思っていた東富士や木村政彦が意外と義理・人情に篤い良い人だったということを知った。いつの時代でも、性格が良い人は成りあがりになれないのかもしれない。
修羅の群れ [DVD]
東映の任侠路線をかざった大スターたちが集まった実録大作。高倉健・安藤昇・藤純子以外は全て出演しているといって過言なし。稲川組・稲川総裁の半生を緻密な取材を元に映画化。俊藤プロデューサーは第二段を作る予定でいたが、稲川総裁の許可が下りず実現しなかった。こんな映画はもう製作不可能。
鶴田も若山も山下監督、そして俊藤監督も鬼箱に入られた。
脱原発
ふつうの本屋の店頭では見かけませんが、原発問題については核心的な内容をもった本だと思いました。著者の河合氏は、浜岡をはじめ、原発廃止の急先鋒に立つ、東電からは一番恐れられている辣腕弁護士です。政官財がガッチリと結びついた原発システムに対して、ドンキホーテのように反対運動を立ち上げた勇気には恐れ入るばかりです。こういう気骨のあるサムライがいる日本は、まだ捨てたものではないですね。
著者の父上が電源開発にかかわり、東電の勝俣会長とは東大卓球部で先輩後輩としてずっとお付き合いがある仲だったとかいうエピソードも面白い。知力・政治力のある人は密接につながっているんだ。しかし、そういう知者賢人たちがいくら動いても、原発推進で固められた強固な組織は簡単に変えられないという、近代的システムの怖さを痛感します。
子孫にツケを回さず、現代の豊かな文明を継続させるためには、エネルギー政策をどうすれば良いのか、これが読者の私たちに投げかけられた大きな宿題だと思いました。
硬直化しきった政治の世界は、もしかするとこの文明史的変化に対応できないのかも。今までの政・財・官体制を冷温停止状態にして、新たな国家的システムを構築しなければいけない段階に来ているのかも知れません。