行け! 稲中卓球部(1) (講談社漫画文庫 ふ 7-1)
ネタ自体に重きを置いたタイプのギャグ漫画の多くは時代が過ぎれば一気に色褪せて見えるものですが、この作品はネタ系のギャグ漫画ではなくキャラクターに普遍性があるので 今でも十分、幅広い層が楽しめると思います。
巻が進むごとに思春期の陰鬱が最大の魅力になってきます。
漫画商店 行け!稲中卓球部 前野とキクちゃん
原作の連載が終了して久しいですが、なにやら気になる一品が発売されていたので、早速購入してみました。
結論から言いますと、これは素晴らしい! 詳しくは以下に。
パッケージは奥行きが短い長方形サイズで、全面に稲中テイスト溢れるイラストや文字が掲載されており、実に良い感じです。
透明部分は前面にしかありませんが、そこから覗く前野とキクちゃんはインパクトがありすぎて、このまま飾っていても良いくらいです。
特に、前野は留め具が首の下にかかっているのですが、下から見ると何か首を括っているみたいで、その表情と相俟ってインパクトありすぎます。
しかし、やはりぜひとも取り出して飾って欲しいですね。
漫画やアニメではお馴染みの稲中ですが、実際に立体造形物で見てみるとインパクトがまるで違います。
キクちゃんも凄いですが、特に「キテる」のは前野。
正面から見ても凄いですが、下や斜めから見るとまた強烈です。 あのヘアスタイルはこうなっていたのか・・・
ファンは是非!
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園監督にとって、はじめての原作物。また、前2作の様な過激なセックスも、血まみれのバイオレンスもないけれど、ここには『青春』という甘い響きを打ち抜くヘヴィな爽快さがあります。時代と正面から向き合った切実な葛藤と、未来への幽かな希望。
普通に生きることが許されない少年が、普通になりたいと願ってもがく超衝撃的な青春映画でもあります。
住田と茶沢。ふたりとも両親に愛されず疎ましがられている。二人の間に、性的なものはほとんどありません。純粋に人生について悩んでいる。茶沢には、住田の中に自分と同じ「心の傷」を見ている仲間意識のようなものかもしれません。これはボート小屋の周辺に住むホームレスたちも同じでしょう。物語が進んで行く中で、彼らもまた住田と同じような「心の傷」の持ち主であることがわかってきます。
予告編でも示唆されるのでネタバレしてもいいと思いますが、映画の中盤、住田少年は父親を殺してしまいます。このシーンでは、園監督としては珍しくクレーンを使い、まるで天から見下ろすように、一部始終を長回しで捉えてまいす。
父親を殺してしまった住田は、これからは〈オマケの人生〉だからと、包丁を隠し持って街を彷徨い、社会のダニを始末することで生きている理由を見出そうとします。
そして、死に向かって突き進む住田を、茶沢は必至に〈生〉の側に引き止めようとする。殴り合い、わめき合いながら、絶望と闘う住田と茶沢を、染谷将太、二階堂ふみが、なりふりかまわず、剥き出しの演技で熱演しています。ヴェネチア国際映画祭最優秀新人賞W受賞はダテじゃないです。
二人が自分たちの未来について語り合うシーンでは、内容があまりにも普通過ぎて、だからこそ泣かされます。彼らは、普通の未来。普通の生活。普通の暮らしが欲しいのだ...。
終わらない平和な日常など、もはやない。私たちは終わりなき“非日常”を生きていかねばならない。茶沢が住田に言う「価値観を変えざるを得ないんだよ」というのはとてもハッとさせられた。
泣き、叫び、走りながら、全身で愛を求める住田と茶沢。「ガンバレ住田!」この声がしばらく耳から離れません。
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実際の事件をモチーフにイメージをふくらませて映画を作ることが得意な監督が、今回は初の原作もの映画を撮っています。
監督の実力を問われた作品でもあると思うんですが、原作ものの映画としては完璧といっていいほど完成度が高く、園子温監督の作品に対する咀嚼力の高さがよく分かる作品だと思います。
この作品は震災後の影響を受けて原作を大きく改変している(特にラストシーン)のですが、実にうまく震災後の感性を活かした作品の結末もすばらしいと思いました。
実際の被災地のシーンも入っているのですが、私の知っている限りの映画の中ではこのような生の画を使っている映画は他にないと思いますし、もう整備が進んでいるでしょうからこのような画は2度と撮れないと思います。そういった意味でも稀有な作品と言えるのではないでしょうか。
震災という設定が必要無かったのではないかという意見をいう方もいますが、私はむしろ震災という設定がなければならないものだったと思います。
オリジナルもいいのですが、ぜひこれからも原作もの映画を監督には撮って欲しいですね。