シャングリ・ラ DVDコレクターズエディション
まさかの単巻販売中止(6巻《前半12話分》まで発売)に見舞われて買うのを中断していましたが
これで一気に後半部分が全て揃えられるという事を考えた末に遅ればせながら購入してみました。
2話収録のこれ迄の単巻の価格で考えれば残り6巻分を1巻毎の価格として換算すれば
多少はマシに思えます。対象者はこれまでの単巻購入者を前提としているでしょうし‥。
ただ、全く同じ価格でもBlu-rayで全25話収録+未CD化音源を含むBGM集を特典に付けているBOX
【DARKER THAN BLACK-黒の契約者-】の様な商品もあるという事実があるので
そういった別の商品と比べるとやっぱり割高であり結構複雑なものがありますが…。
販売会社別による消費者に対する良心の差が明確に表れていますね。
内容は涼子を起点としたアトラスについての様々な謎や、AAAの3人の存在の意味や出生の経緯等
物語の本筋についは終盤で判明し盛り上がりますが、中盤はダラダラした展開が目立ちがちで
流れがアンバランスです。ダラダラしている部分を他の主要なキャラの掘り下げに使ったりして
キャラに厚みを持たせていたりしたら良かったのですが、そういった事には用いていないので
殆どのキャラの設定が薄く、必然的に繋がりも不自然さが際立ち作品がキレイに纏まっていない
と思います。ただでさえ複雑な要素でストーリーが構成されているのに‥‥。
しかし、OP映像を含め作画は惹き付けるモノがありますし、躍動感は出ているので作品の質自体は悪く
ないと思います。そういった所を評価している人ならば買ってみるのも悪くないかもしれません。
私自身は上記に挙げた様な様々な観点から複雑なものもありますが凄く損をしたとも感じないです。
全て揃えられたというコレクションの面でのスッキリ感と満足度が最も大きな要因でした。
テンペスト 第二巻 夏雲 (角川文庫)
文庫本を4冊まとめてイッキに読み切った。
超人的な主人公の活躍とど派手なストーリー展開で、韓国歴史ドラマをみている感じだった。
少なくとも、読者をグイグイ引き込むパワーは十分ある。
しかし、もう一度読み返すことはないだろう。
ステロタイプのキャラクターの心理描写が非常に甘く、感情移入がイマイチできない。
加えて、時代考証がお粗末なため、その時点で興ざめしてしまうのである。
一例をあげると、本巻の敵役徐丁垓であるが、主人公は清国の役人に彼が太監と紹介される。主人公は役人から彼が宦官と補足説明を受けるまで、彼が宦官と認識できなかった。しかし、「太監」という官位は宦官だけのものであり、清国の冊封体制下の琉球の政策担当者が、それを知らないということは100%あり得ない。また、太監とは宦官の最高位であり、そこから失脚した人間が琉球に飛ばされるということもまず考えられない。皇帝のプライベートを全て知る人間が失脚した場合、待ち受けているのは、良くて幽閉、最悪暗殺や処刑である。
伝奇小説の雄山田風太郎の作品は、ストーリーは荒唐無稽だが、その実綿密な時代考証と医学の知識に裏打ちされたリアリティがあり、読み手の興味を削ぐことはなかった。本作は素晴らしい点も多いのだが、ディテールの甘さが作品の価値を大きく損ねていることが、とても残念である。
Blue-中村佑介画集
正直言うと、中村佑介という名前を知ったのはわりと最近のコト。いくつかの本でイラストを見たことがあり、キレイなイラストだな〜と思ってはいました。画集が出ていると知ったのも最近で、興味があって買いました。
金額のわりに掲載されている絵が多くてお得な気がします。好きな方なら買って損はないでしょう。
私には、ほとんどが初めて見る絵でしたが、どれもとても繊細で素敵です。一枚一枚にちゃんとストーリーが感じられたし、見ているだけで癒されました。
テンペスト 第三巻 秋雨 (角川文庫)
1巻、2巻で気になった粗雑な表現が、ここへ来て影をひそめた印象がある。
寧温(ねいおん)と真鶴(まづる)が同一人物であることが、両者に出会った
誰にも気づかれないところは不思議であるが、これはファンタジーであると
目をつぶれば、なかなか面白い。
2011年の舞台は「琉球ロマネスク」と銘打たれたが、寧温(ねいおん)
の数奇な運命の急展開に、引きつけられて夢中で読んでしまった。
舞台で、この一人二役の主役をつとめた女優の仲間由紀恵さんがストーリーを
追っていてもずっと重なる。沖縄出身の彼女にまさに天恵のような作品では
なかったか。
テンペスト 第一巻 春雷 (角川文庫)
沖縄好きを自認する人たちは多いが、その中で琉球の歴史に詳しい人はおそらく少数だろう。
大戦中の沖縄戦のイメージが強すぎて、特に本土の人々にとって沖縄は歴史的には語りにくい事柄である。
ところが、それをひっくり返したのが本作である。
沖縄の、しかも琉球の歴史、豊かで色彩に満ち、湿気や料理のにおいが身体にまとわりつくような感覚で、沖縄の歴史の転換点を描き出した。
あんなにちっちゃい島なのに、こんなにすげえ国だったんだ、とおそらく読んだ誰もが思うことだろう。
しかも、現代に通じる独特のユーモアが満載で、悲しくてつらいエピソードが多いのに、お笑いを見ているような心地よさ。
本書を手にした人に、これから第4巻を読み終えるまで、ジェットコースターのような興奮と新鮮な驚きをお約束します。