幻の惑星 [DVD]
禁断の惑星の愛すべきロボットであるロビーのクリエーターのひとりとして有名なロバート・キノシタがプロダクションデザインやら制作補佐を担当している宇宙を舞台にした冒険映画である幻の惑星。本作が制作された1961年と言えば人類史上初の有人宇宙飛行が成功したガガーリンが地球は青かったと呟いた年である。何億光年も離れた宇宙空間に想いを馳せた時代は終わったのだ。宇宙をリアルな舞台として求める時代となったのが1960年代なのだ。禁断の惑星も宇宙水爆戦も古めかしい古典的なSF映画となった1960年代なのだ。このように思いきりハードルを上げてレビューを試みる幻の惑星である。鶏の唐揚げに似ている…てか唐揚げにしか見えない遊星が飛んで来て探査に出向いた地球人が鶏カラに漂着すると高度な文明を誇るこびと宇宙人と遭遇し仲間になり敵対する怪物宇宙人との戦争で大活躍するという宇宙を舞台にしたガリバー旅行記小人国編みたいな物語。いったい全体どこがリアル宇宙を志向する60年代SF映画なのだとツッコミ入れたくもなりましょうが…主人公の相棒のアストロノーツがアクシデントにより誰にも看取られこと無く船外宇宙に放り出され自動ハッチが無慈悲に閉じられ憐れな宇宙飛行士の最期の叫び声さえカットオフされた演出に数年後キューブリックにより制作された2001年宇宙の旅を連想しちゃうのは何も私に限った事ではないだろうと思うわけで、幻の惑星がどれだけファンタジックな物語であってもやはりこれはスプートニク&ガガーリン以降の宇宙映画だと紹介したいわけです。ちなみにクレジットされてるアケミ・タニって日系俳優はおそらく月面基地でオペレーターを演じてた東洋人だと思うのだけど若い頃の浅野ゆう子にちょいと似てる美人。彼女のその後の活躍が気になったりします。
ジーンダイバー DVD-BOX
子供向けアニメの皮をかぶった超マニアックSF! 前半こそかわいげある冒険SFですが、徐々にスケールアップしていくうちに、深くなっていきます。
ともかく知的です。
アニメとは思えない徹底的なSF、科学考証が知的興奮をよびます。太古の地球の生き物に始まり、遺伝子、別の動物から進化した知的生命体、生命の起源、歴史、そして地球の外から来たものたち、驚くべき彼らの戦い、生態、そして正体。
子供向けのコミカルなシーンでごまかしていますが、その人間(と、人間でない者たちとの)ドラマもかなりシリアスなものです。
途中からかなり難解になり、正確に設定を把握するのも難しくなりますが、矢継ぎ早に起こるSF的な事件の連続に興味をそそられっぱなしです。子供の時見ましたが大人になってから観て、その面白さを再発見しました。
ただただ、アニメーションが安いのが残念です…。
恋する宇宙 [DVD]
同じアパートの住人のアスペルガー症候群のアダムと言う青年と、童話作家を目指すベスが、恋に落ちると言うストーリー。普通のラブストーリーとして観るには、ちょと分かり辛いというか、いまいちかもしれませんが、アスペルガーの配偶者を持つ私から見ると、主人公アダムの表現のされ方や、映画にちりばめられたアスペルガーならではのヒントが手に取るようにわかり、見ていて面白かったと言うか、共感できるところが沢山ありました。
ただ、字幕が少し実際の台詞と表現が違う部分とかがあって、ちょっと残念に感じるところもありました。
映画全体の評価としては、アスペルガーを知る人間が見ればかなり楽しめるものではないかなぁと思います。私は「モーツアルトと鯨」も好きでしたが、こちらの作品のほうが彼の社会とのつながり方、回りの考え方が(良くも悪くも素直に)表現されているのが良かったと思いました。
価格もとてもリーズナブルなので、購入して良かったと私自身は思っています。
ツリー・オブ・ライフ ブルーレイ+DVDセット [Blu-ray]
久しぶりに…いや初めてかもしれない本当に映画といものを観たという気になった。
最初から最後まで常に映像は美しく言葉では言い表せない何かを感じる。
映像と音楽と物語の融合、これぞ映画だと。
間違いなく映画の頂点に位置する存在だと。
今まで観てきた娯楽映画が同じ映画かと、恥ずかしくなってくる。
だけど、より一層映画が好きになった。
映画をもっと観たい!!
と、大絶賛しましたが賛否両論わかれる映画でしょうね。
見る人が見たら途中で寝ちゃうでしょうし、「くそ映画だな…」とか言うでしょう。
理解し難いシーンが多いし、特に盛り上がる部分なんてありません。
何が面白いの?とか聞かれてもなんて言ったらいいか、わかりません。(笑)
でも僕はこの映画大好きです。