『飛び出せ!青春』も好きな人にとってのボーナス・エピソード(?)、「われら同級生!」のことをメインに書かせていただこうと思う。
木次(沖正夫。のちの森川正太である)と畑野(降旗文子)が結婚することになり、思い出深い母校の教室で式を挙げたいということから、片桐(剛達人)、柴田(頭師佳孝)、そして沖田先生(中村雅俊)の大学の先輩でもあるビギン(村野武範)ともども、太陽学園へとやって来る……という筋立て。
ビギンは本倉先生―今回は登場せず―と結婚して太陽学園を辞め、今は島の小学校の教師をしているという(どうでもいいけど、髪の伸びっぷりがすごい。TV『日本沈没』の撮影に入る直前だろうか)。
いっしょにやって来た教え子たちは、全員大学生になった模様(柴田の落武者風ロンゲが目を惹く。片桐は『電撃!!ストラダ5』でヒーロー業をこなした直後。木次はほぼ『俺たちの旅』のワカメに近づいている)。
となると、心中複雑なのが“高校5年生”の山本(穂積ペペ)だ。
その山本のことが原因で『飛び出せ!』チームと沖田の生徒たちとの間に不穏な空気が流れて……。
まぁ、『われら』での山本は何も気にかけることなく、時に先輩風など吹かせながら気楽にやっているかのようにみえたが、ダブった当人がその事実を気にしていないわけがないのであって、そのへんの苦渋を軸に、しかしシリアスなだけでなく、ビギンにベタ惚れだった真樹(青木英美)が、久々の再会にどう対処するかなど、楽しい要素も入れ込んでドラマを展開させるあたり、さすがは敏腕脚本家・鎌田敏夫である。
ついでのようになってしまったが、この巻では他に「やればやれるさこれが青春!」がおすすめ。軽い、楽しめる話だと思っているうち、いつのまにか怒涛の感動モードへと突入して行く。あの「ふれあい」が初めて歌われるのも、この巻収録の第13話だ。お聴き逃しなく。
メインライターの鎌田敏夫氏は「青春モノは”ド真中!”まで」と仰っていたそうだ。飛び出せ!青春を始め膨大な感動パターンを産み出し、ド真中!はその最後の作品ということだろう(青春シリーズ最終作「あさひが丘」の氏の作品にも良いものはあるが、ファンの方には申し訳ないが出涸らしの感は否めなかった)。
ド真中!は、登場人物の生徒たちが部活に入ってないのが新味で、体育会系ではないナイーブなストーリーが展開された。主人公の中村雅俊の言動は「俺たちの旅」のカースケ(中村)そのもので、相棒が秋野太作
だし、神田正輝を加えた教師トリオ、その日常描写、彼らを取り巻く人物など、学園モノ+「俺たちの旅」といって過言ではないと思う。
とにかく泣けます(小六禮次郎の音楽だけでも泣けます。使い方が絶妙なのです)。そして「明日も生きるぞ!」という気持ちにさせてくれます。人生の応援歌に必携です!!
第45話・46話(終)のレギュラー2話と、十年目の再会・二十年目の選択・三十年目の運命、が全て収録された贅沢な1枚です。
画質はリマスターしたと言っても、ほぼ当時のままで良くはありませんが、BD特有の長時間収録(393分)を生かされた逸品です。
画質の分、☆一つ減しました。あとは申し分ありません。
95年に同様の企画で「青春ドラマシリーズ ソングブック/これが青春だ」というオムニバスCDがキングレコードから発売されていたが、今回は主にコロムビア音源を中心とした学園ドラマの主題歌・挿入歌集。 キングの「青春ドラマシリーズ ソングブック」でのブックレットは各番組の紹介と歌詞の掲載データが少々のみだったが、この「熱血先生グラフィティ」は収録作品の放送リストや挿入歌の使用話数と挿入歌の使用回の言及など、より細かい部分を押さえたブックレットが充実している。音質もデジタル・リマスタリング作業によって過去のオムニバス盤より遥かに向上。 青春ドラマの主題歌集は手垢が付いた企画ではあるが、独自の工夫も見られる。 トラック7、9、12、13、22~24は初CD化の音源であり、懐かしドラマファンは勿論、中村雅俊ファンにとっても必聴盤であろう。 ただこのアルバム内の『熱中時代』『スクール★ウォーズ』の主題歌は急遽収録が決まったようで、ブックレットに放送リストも掲載されていないのが惜しい。
当時は中学2年で毎週楽しみに見ていた頃が懐かしいです。何とかする会社で
奮闘している彼らが中学生の自分にとっては憧れでもあり、お手本でした。働くようになって現実を目の当たりにして厳しさを経験しましたが未だにドラマの中での彼らの志への憧れに変わりはありません。
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