まず驚いたのは表紙のカラーの濃さ。CG導入か…てっきり違う作品かと。
内容は、いよいよハルヒを巡る、戸惑う環様VSパワー押しの光、
新規参入の、環様と全く同じ境遇で彼を困惑させる鹿谷姫の4角関係。
今迄は「ホスト部」として一つに結束していた「子供達」が
「大人」になるためにそれぞれ「別離・卒業」という分岐点に向けて
本格的に歩み始めた、かなりシリアスなストーリー。
正直、初期の頃のアップテンポなリズムと快活なエンターテイメント性
に惹かれて購入していた頃より退屈になっていく展開が物凄く残念。
少女漫画というカテゴリなので仕方ないのかもだが、これまで彼らが
築き上げてきた絆が、「恋愛」というチープな要素で脆く瓦解していくのは辛い…。
惰性で最終巻まで購入してしまうような失望感だけは、この作品では味わいたくない。
思い切ってアニメのラストのように、バッサリ切り上げてしまった方が
良いのかも。環先輩のマザコントラウマも読んでいてかなり疲れる気がする。
軽井沢編も大好きで、馨が兄弟を思ってもつと広い世界を知って欲しいとしっかりとした意見・意思ほ持っているのは凄くカッコイイと思いました。大人びた部分がひいでた馨と、素直に・・いや、まだ二人だけだった世界から抜け出せ切れない光の微妙な変化が今回の軽井沢でハルヒをきっかけに変わりはじめてます。複雑な馨の心境、解らなくもないので考えさせられますね。そして、「鏡夜の不本意な休日」ですか?大爆笑です。
低血圧魔王で、しかも環にふりまわされっぱなしの彼は本本性はナマハゲ(笑)
ファンとしては是非手に入れて置きたい一品です。
この作品のいい所は、一人のキャラにスポットをあてた話の回でも他のキャラが劣って見えないことです。皆でひとつ、これぞホスト部って感じですよね。
大好きです。
短編が3編収録された小説版の「桜欄高校ホスト部」です。
3編それぞれ違う人が書いていたのですが、その中でも1話目の「部ログ」の話は
喋り方やキャラクターの特徴を良く掴んでいて、一番読み易く面白かったです。
モリ先輩がピヨちゃん、ポメちゃんを「ピヨとポメ」と呼び捨てにしていたのが結構衝撃だったり。。。(笑)
挿絵も綺麗だし、文字だけでも十分に面白かったので是非続きを出して欲しいですね。
(漫画の小説版でこのページ数というのを考えると、若干高めの値段設定のような気もしますが)
※ちなみに12巻のネタバレ(その後の話)になっているので、12巻を読んでから小説を読んだ方がいいと思います。
おそらくこれは「桜蘭」だけではないのですが、普段ギャグや
笑いでパワフルな漫画やアニメが、方向性をブルーにシフト
すると、途端に面白くなくなる場合が多い気がします。
「銀魂」とかもそういう作品なんですが…おそらくキャラに
感情移入をし過ぎるくらい付き合っているので、彼らの
悲しみや苦しみを自分のリアルのように捉えてしまうのかも。
今回はいよいよラストに向けて、環とハルヒの間に「キス」
という精神的急接近と「環がホスト部を去る」肉体的別離
が描かれています。大人に振り回される環の相変わらずの人生、
そしてやっと見つけられた鏡夜の居場所ホスト部の解散…。
環とハルヒに普通の恋愛主役になって欲しくない複雑な
ファン心と、どうも暗雲立ち込める展開に心が躍らない。
ハルヒの両親の話は普通の男女漫画だし、双子の祖母話も
強烈なインパクトをつきつけられない。しかしながら
こういう番外編がくると「いよいよラストなんだな」と
寂しさに襲われます。
願わくば余り長々とせず、私達が愛した桜蘭そのもので
爽やかに卒業を迎えてほしいです。
ハトリ先生のデビュー作も収まっている単行本です。「千年の雪」はどこか悲しいながらもややハイなまんが。シチュエーションが悲しいけれども、基本的に明るいまんが。
なおこのまんがは完結していません。
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