もともとは、東京メトロに乗って池袋で『地下鉄(メトロ)に乗って』を観ました(→イマイチ)
劇場では、とにかく唐突感があり過ぎて難しい作品だと思いました。意味がよく分かりませんでした。
浅田次郎の原作ではどうなっているのかと思い、読んでみて、
初めてこの作品の魅力を知ることが出来ました。
鍵となるシーンやセリフは、映画でもほぼ忠実に再現されています。
しかし原作の持つシーンやセリフの背景(=これがこの作品の本質的部分だと考えています)を、映画では結局表現しきれなかったのだと思います。
原作を合わせて読むことを、強くおススメしたいです。
不思議と、後に印象に残る作品でもあります。
東京メトロの駅から地上に出たら昭和30年代の景色になっていないか、想像してしまいます。
自分の父母の若い頃はどんなで、どうして私が生まれたのか、知りたくなります。これが浅田次郎ワールドなのかも知れません。
岡本綾も、流れる音楽も素敵です。
貧困が故に盛岡の南部藩を脱藩して新撰組剣士となった吉村寛一郎の武士としての生き様、というかむしろ男の生き様、人間臭さ、悲哀が如実に描かれている。近藤勇、土方歳三、沖田総司、斉藤一といった新撰組の面々のキャラクターがまた面白い。取材スタイルでの話の展開は、賛否両論あると思うが、最初読みづらかったが慣れてくると複数の視点から一つのことを見られると同時に徐々に核心に迫っていく感じがして良かった。ただ、このアプローチは映画とかでは表現し難いと思う。浅田次郎の巧みな構成・テンポの良さに引き込まれ、上下巻一気に読んでしまい、最後の東大教授の話のところで涙してしまった。南部訛りが妙に心にしみる。女性読者は随所で男性読者は最後にぐっとこみ上げてきてしまう。今度、盛岡の人にお会いしたら泣いてしまうかも知れない。男たる者、家族を持ったらかく生きるべし。そんなことを教わったような気がする。おまけとしては原敬や済生学舎のことも勉強になった。歴史物好きな方嫌いな方問わずお薦めの一冊。
いや〜感動しました!!最後とか皆すごい切ない涙が出まくりです。
もともと小説だったそうで、漫画にしてもそうですがそれを映画化すると失敗が今まで見てた感じからして多いので、どうなんだろうなぁ〜小説見てないとわからない部分とかあるんじゃないの?と思いながら見ましたが、見事に泣かされました。
話としては椿山さんが主人公ではあるんだけど、自分が先立ってしまったことを部下に対して心配するがヤクザの親分と本当の親に会いたいながらも命を落としてしまった子供がサブ主人公として描かれます。 最終的には皆生まれ変わり時間切れすれすれで悩みや願いが叶いまたあの世へと旅立てるのですが、せっかく親に会えたのに自分はもう死んでしまっているからこれ以上の親への愛情は望めない子や、部下の早まった行為を何とか身をていして防いだ親分、そして消え際に誤って撃ってしまったのが本当は誰なのか気づき号泣する部下。 最後に自分が死んだことによって今まで見えなかった自分の身の回りのことが嫌と言うほど見せられて絶望した椿山さんだけど以外にも自分を思ってくれてった人が近くにいて、あの世に旅立つ前にその人に自分の気持を伝えられたシーンなど本当に感動しまくりでした。
設定としても脂ぎったおじさんが仮の姿で綺麗な女性として生まれ変わるというのも面白い設定でした、伊東さんは落ち着いた感じ・上品さが良い女優さんですね。
もうこれ個人的には買いな作品でした。
軽妙にして絶妙な文章と、悲喜こもごものストーリー。
日本有数のストーリーテラーは、やはり今回も楽しませてくれます。
虚実織り交ぜながら、いかにも「ありそう」な話を爽快に読ませてもらいました。
彼ら3人と1人のハッピーリタイアメントを心から祈ります。
ついでに、浅田先生が元を取れますように(笑)
もともとフィクションであることは知りつつ読み始める。近藤、土方が出てくる。どこからどこまでが本当の話か分からなくなってくる。史実にフィクションが絡む。実にややこしい作品であります。また構成が凝っている。実際に生き延びた新選組の残党が喋っている。斉藤一が思い出を語る。無口の斉藤がである。信じられない。(途中で何度もフィクションであることを忘れる)。ただ展開される世界は明治維新を材料に今の我々に問いかけてくる。「義士御座候」。もはや義士と呼ばれる人物がこの世にいなくなっている。新選組の面白さのひとつに断片的な史実を自分なりに織ってみる楽しみがある。この作品はその楽しみを壮大なスケールで実現したものである。最後の大野次郎右衛門の手紙、面倒で読み飛ばした人も多いと思うけれどここを読んで涙しないと読んだ価値が半減しますよ。
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