私のCDコレクションの中でも特に気に入っているので、わが家ではこれをよくBGMとして流しています。サラのことは知らないし、クラシックにも無縁という来客たちが、「あれ、これ聴いたことあるよ」とこの中で必ず何曲かを見出して、ほとんどの人が「このCDいいね」というのです。クラシックギターの名曲『アルハンブラの…』、ショパンの有名なピアノ曲『夜の踊り』、オペラで名高い『私のお父さん』。あなたにもきっとご存知の曲があるはず。サラは歌によって色を変えられる魅力的な声の持ち主です。同じトーンで歌う単調な仕上がりではないので、飽きもこないのでしょう。
大河ドラマ「平清盛」の挿入曲になっていたので、弾いてみたくて 楽譜を探していました。 つい、安いほうのピースを買ってしまいましたが、吉松隆さんのアレンジに 耳が慣れていたので、私としてはこの独奏は物足りなく感じました。
シンプルなメロディだけを堪能したい方にはいいかもしれませんが・・・。
やっぱり、吉松さんの楽譜(他の曲も入っているのですが)をもう1冊、 買おうと思っています。
種々のアヴェマリアが、CD3枚に入っています。普段あまり聞かなかった曲もたくさんありましたので、試聴したところ、なにか表現出来ない癒しに惹かれ購入しました。疲れたとき、気が沈んでいるとき、何か自分が救われる気がします。ジャケットの絵がとても良くて、収録曲と本当に良く合ってると思います。
寺井直子は独自のジャズバイオリンの道を歩んでいる。
ケニー・バロンに見出され名古屋のローカルプレーヤーからメジャーデビューしたのが1995年。それまで下済みが長かったと聞く。
以来多くのアルバムを連発、わき目も振らずにバイオリン人生を過ごしファンを増やしてきた感じ。
今回はクラシックをジャズにアレンジした曲など名曲ぞろいの「寺井ワールド全12曲」である。
寺井嬢は、日本ではまだなじみの薄いジャズバイオリンなので、難しい音符をこなすクラシック勢から理解はまだ得られていないようだが、音楽は所詮結果論だ。楽しければいい。
本アルバムも心地よく上等な演奏を披露してくれた。それにMP3のダウンロードは廉価の上、便利に思う。
寺井嬢は、2009年の東京ジャズで、アコーディオンのリラカール・ガリアーノとの競演を成功させたのがジャンブ・アップだったような気がする。寺井嬢にはヨーロッパジャズがお似合いのようだ。しかしこの前のTV番組で「リラカールとの競演はバイオリンがこられなくなったので急遽参加した、練習もできなくって」といっていたので驚いた。
◇付記=MP3は圧縮技術ですが、アマゾンのサーバーが良質なせいか劣化を感じさせません、むしろ一般のCDより高音質な気がします◇
本田美奈子さんが38歳の若さで、急性骨髄性白血病で急逝されてから3年が過ぎようとしている。
私はこれまでは、本田美奈子さんのあまり熱心なファンとは言えず、アイドル時代も歌のうまい子だなと思った程度で、ミュージカルやクラシック(クロスオーバー)に取り組んでいるという噂を聞いたときも、“歌うこと”に対する彼女の意欲と熱意に賛嘆しつつも、なかなか聴くチャンスがつかめずに時間が過ぎてしまい、そして悲報に接することになってしまったが、それをきっかけに聴くのも何だか残酷な思いが捨てきれずにまた時間が過ぎてしまった。
最近やっと気持ちを整理して、彼女の遺してくれた作品に接することにしたのだが、このアルバムを聴いて、そのあまりの美しさ、特に清純な高音の驚異的な伸びにしばし言葉を失った。ありきたりの言葉だが、もっと早く聴かなかったことがあまりに悔やまれる。
このアルバムは、彼女の『Ave Maria』『時』『アメイジング・グレイス』の3枚のクラシック作品からセレクトされたベスト盤で、新たに日本語版が収録された“ゴッドファーザー〜愛のテーマ”以外はすべて再録だが、“アヴェ・マリア(Ave Maria)”、“アメイジング・グレース(Amazing Grace)”、“タイスの瞑想曲(Meditation de Thais)”等、珠玉の作品が並び、中でもサラ・ブライトマンそしてキャサリン・ジェンキンス等が取り上げて有名な“私のお父さん(O mio babbino caro)”、“タイム・トゥ・セイ・グッドバイ(Time To Say Goodbye)”が絶品である。サラ・ブライトマンあるいはキャサリン・ジェンキンスなどの歌唱では、西洋人らしく豊かで包み込まれるような表現(それはそれで非常に心地よい)が、この本田美奈子さんの歌では、あくまで日本的な清純な歌声に心を洗われるようで、深い感動に誘われる。本田美奈子さんの歌声は彼女の魂がそのまま歌っているかのようだ。
日本語版が収録された“ゴッドファーザー〜愛のテーマ”と“この素晴らしき世界”も絶品で、特に後者の「握手したい、元気ですか?」のフレーズでは、彼女の生きることへの熱いメッセージが伝わってくるようで、心が揺さぶられる思いがする。
最高は“ジュピター”(歌曲としての原題は、I Vow To Thee My Country)で、何度聴いてもふと涙ぐんでしまうほど。これほど人に生きる勇気を与えてくれる歌唱というものに、そうたびたび出会えるものではない。
以前、平原綾香さんが震災の被災地でこの曲を歌って話題となったことがあった。ここでのレビューでは、これについての否定的な意見も見られるが、もし本田美奈子さんが元気だったなら、きっと彼女がこの役割を果たしたことだろうし、平原綾香さんがその遺志を継いだと思いたい。そして、もし本田美奈子さんが元気で活躍を続けていたなら、あの“千の風になって”で有名になった詩の“Do Not Stand At My Grave And Weep”(日本の曲ではなくて、イギリス版のほう・・新井満さんごめんなさい)なども、ぜひ彼女に歌ってもらいたかったもののひとつだ。きっと、もっと多くの人の心に生きる勇気を与え続けてくれたことだろう。
つくづく、惜しい人を失ったものだと思うが、彼女が遺してくれた歌は、これからも私たちに感動と勇気を与え続けてくれることだろう。
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