白土三平先生の代表作の一つです。一般的には「カムイ伝」の次くらいに有名かもしれませんね。以前TVアニメ化もされており、そちらも非常に出来が良いです。少年忍者サスケが数々の闘いや試練に立ち向かい、たくましく成長していく姿を描いています。序盤は“快活な少年忍者モノ”って感じでやや子供向けぽいので人によっては物足りないかもですが、中盤以降は本領発揮で急速にシリアス度を増していきます。
強敵・根来(ねごろ)忍者が出てくる辺りとかゾクゾクするし、終盤の隠れキリシタンの話など秀逸なエピソードが目白押しです。あとサスケの父親で凄腕の忍者である“大猿”が魅力ある人物で、彼が出てくると物語が盛り上がる。中でも“風車手裏剣”のエピソードは荒唐無稽を極めた忍法のアイデアや、大猿の台詞がかっこよかった。白土劇画では、剣法では忍法に勝つことはできない…
本作終盤の展開は非常に重苦しいものです。そして、まさかこれほどまでに悲劇的な終幕を迎えるとは…。今の若い人にもぜひ一度読んでみてほしい傑作です。
「忍風カムイ外伝」。。このアニメを最初に見たときそのストーリィの斬新さに驚きました。主人公カムイは追われる抜忍・忍者。いつも命は危険にさらされ、時には彼に興味を示し親切に近づく者でさえ不幸にも追手の忍者に命を奪われてしまうという・・極端に言えば身もふたもないストーリィーなんですけど必死に追手の刃を振り払い生きていくカムイの姿に当時高校生だった私は惚れこんでしまいました。忍者アクションシーンは目を見張るものがありますし悲しい中にも同じように追われる抜忍同志の不思議な心の触れ合いがあったりしましたっけ。。と今思い返しても懐かしさで心がいっぱいです。
学生時代に年上の友人に「カムイ伝は日本一の漫画だ」と勧められて読みました。
本当に日本一の漫画でした。
世の不条理、自由への戦い、人間の本質といったものがすべて含まれていて漫画では収まらない大作。
「カムイ」や「サスケ」に比べると知名度は低めですが、この「ワタリ」も注目すべき代表作です。伊賀にも甲賀にも属さない、第三の忍者勢力「ワタリ一族」の活躍を描いたものです。
魅力的なキャラクターの数々、超人的な能力や特異体質を持つ忍者たちのダイナミックなアクション、まるでミステリーのように綿密に構成されたストーリーなど、純粋なエンターテイメント作品としての魅力に満ちている。とっつきにくい部分もなく、この白土三平選集で全3巻(文庫では全4巻です)とコンパクトなので、白土三平初心者の人にも向いてると思います。
本作(この巻という意味ではないです)は全3話で構成されていて、どのエピソードも非常に面白いです。中でも、第2話「ゼロの忍者」の不条理で荒唐無稽な魅力は素晴らしい。不死身の怪物“ゼロの忍者”の正体とはいったい…!?この時代にこれを描いてたなんて、ほんと凄い事です。
最終第3話「ワタリ一族」にはワタリの親友で美しい少年忍者・姫丸というキャラが登場するのですが、彼の死に様は壮絶なもので、強い衝撃として脳裏に残っています。
自分、ほんとこれ大好きなんですよね〜。何度も繰り返し読みました。もっともっと注目されていい作品だと思うんですが…。1人でも多くの人に読んでほしいと思っています。
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