ハセガワの比較的新しいキットです。 ハセガワらしい簡素な構成で無難に仕上がっています。 パーツ数が少ないので、1/48とそれほど手間や時間は変わらず 精度も高いので、ヨンパチよりこちらの方が簡単に組めるかもしれません。 このスケールにしては、コックピット内がちょっと寂しい感があります。 クリアパーツは少々肉厚ですが、 透明度は抜群で、モールドも非常にシャープ。
パネルライン等は実機の図面と見比べても大きな矛盾がありません。 機体表面のディティールは控えめですが パネルライン周辺のみ凹リベットが打たれています。 パーツ精度や合いは非常に高く安心です。
ハセガワらしいと言うか、成型パーツがえらい分厚いです。 脚カバー類等の薄さが要求される箇所も、 そのままだと戦車の装甲並みの分厚さがあります。 しかし、そのお陰か 素でも十分なパーツ強度が確保されているので 内部補強せずにリベット打つことが出来ました。
いろいろ手を加える余地が残されているのも このキットの良い点かなと思いました。
キットとしては、ハセガワの1/72でも古い部類に入ります。
そのため、コックピットの再現度は極めてあっさりしていますので、気になる方は資料を元に補機類を作り込むとよいでしょう。
デカールは第47戦隊「震天制空隊」ともう1種類入っており、このスケールでは必要十分かと思います。
箱絵の機体にするには、塗装の順序をよく考えて行うのが発色を良くするコツでしょう。
また、パーツのゲートはパーツ側に凸部があるのできちんと整形してから接着するのが綺麗に作るコツのひとつです。
さらに、陸軍機では左主翼に「着陸灯」がありますが、キットではモールドだけですので、気になる方はクリアのプラ材で置き換えるとリアルさが増すでしょう。
小さなキットですが、基本工作をきちんとすることが良い完成品を作る近道でしょう。
モデラー視点での評価です。 リベットまでカバーした見やすい三面図と カラーイラストのマーキングや塗装例、 モノクロですが非常に鮮明で豊富な実機写真など 模型製作の参考資料として文句無しの価値がありました。
|