気球好きの村上は美津子とサークル『気球クラブ』を結成した。そこに集まった若者たちは飲みにベシャリ、色恋に楽しんでいた。月日は経ちある日、リーダー村上の突然の訃報が。空洞化していた気球クラブのメンバーは村上を偲んで集まることに。二郎の回想によって、美津子の本当の気持ちが明かされてゆく。
爽快な青春劇にふちどられながら、一途な愛、深い人との繋がりが燻りだされた作品。携帯で繋がっている浅薄でリセット可能な人間関係、躊躇なく交換可能な色恋関係、これらと対照的な美津子と村上の関係、園子温監督が描く作品世界はとても深く重い。軽重浅深のコントラストに富む説教臭くない社会派恋愛物語と言えようか。気球の喩は言うに及ばず、美津子が携帯にでた理由、ラストの美津子演じる永作博美の表情、しぐさ、頬をつたう涙の意味は文学のような読みごたえ味わい深さがある。
休みの日にコーヒーを飲みながら、まったりと聴けばとても幸せになれるアルバムです。 畠山美由紀さんのVolはもちろん素晴しいが小池龍平さんのギターも素晴しいです。 以前カフェで弾き語りのライブを見た時は感動してしばらく放心状態になりました。 表現力ゆたかなギターとVol、口笛も素晴しいです。 二人の相性は抜群でぜひカフェでのライブもたくさんやって欲しいです。
幾多の名クリエイター達が愛してきたうたごえ。それが畠山美由紀だと思います。青柳拓人、鈴木正人、冨田恵一、Jesse Harris、秋田慎治、小池龍平、金橋豊彦、斎藤哲也、沢田穣治、中島ノブユキ、宮川弾、ASA-CHANG…彼女の清楚で耽美的なうたごえは彼らの美的世界を純に立ち上げてゆきました。他方、彼女自身のソウル/ジャズの作曲・作詞におけるニュアンスも彼らに出会うことで大きく翼を広げたかと思います。彼らの音作りが背景・空間となり、彼女の作曲はいつも音の粒が立つことで、ことばの香りが広がっているからです。実に両者の密なハーモニーが麗しさを放つPOPSなのです。
冨田恵一による「海が欲しいのに」。彼の流れるストリングスや緻密に敷き詰められたハーモニーデザインは本当に心地よく芳醇な音があります。また「愛にメロディ」(原田郁子・永積タカシ)、「若葉の頃や」(中納良恵・堀込奉行)なども、彼女の声のために仕上げられた奇跡的な調和をみることが出来、彼女の甘美な代表曲達です。
「ロマンスをもう一度」。ミュート声で子音をタッチする際のしなやかで澄んだ明るみ。この素朴な品の良さが彼女の麗しさでしょう。日本女性の美しさとは例えば所作だと思います。そこに宿る凛とした品格とたおやかさです。畠山美由紀の歌声に感じる美しさは当にそれなのです。そんな歌声を筆にして描いたような絵が、「浜辺の歌」と彼女作詞の「星が咲いたよ」でしょうか。儚い行間をキャンバスに落してゆく筆の、ゆっくりしたスピードは彼女の特徴ですね。日本のうたが持つことばの美しい情景の滲ませ方。後者の童謡のような懐かしさへのアプローチではそれがよく表れています。
Norah Jones「Don’t Know Why」、Carole King「So Far Away」などの情感は当に彼女にぴったり。原曲に迫るオリジナリティが演奏されています。例えば「The Water Is Wide」は少し高く出てしまったそうですが、それが凛としており彼女の澄んだ個性になって刻まれました。
7と14のJesse Harrisと一対一の演奏は、聴き手をまどろみや、魔法めいたアンニュイさに誘います。11ではリリー・フランキーの美声が注目。そして「翳りゆく部屋」は特に聴き所で、低音域での柔らかい包容力もこの歌手の特徴であり楽曲を昇華させます。「くちづけ」はストリングスの陶酔度が強い編曲。16「Timeless」は菅野よう子の感動的な旋律の英語曲です。最後に、彼女の詞によく映される緑の原点は「遠い灯、遠い場所」気仙沼の景色にあるんですね。
絶対おすすめです。
ストーリー、音楽、役者さん、すべていいです。
何度も見たくなります。
正しい思いを持った人たちが、ちゃんと評価されていく、そこがいい。 若い方にも見てほしい。 いろいろな経験をした年代の方にも見てほしい。
見た方と語りあいたい思いになる良質な映画です。
劇場で、大画面で大音量で楽しめたら最高です。
このようなトリビュートアルバムは他にも何種類もあるかと思いますが,これはやっぱり参加ミュージシャンのレベルが高く,曲がいいので一番です.やはり松任谷由美さんというミュージシャンがそれだけ魅力的な曲をたくさん作ってきた大きな存在であるということなのでしょう.アートワークは,いかついバンドがカバーを作っているように見えますが,実は女性アーティストも多く参加してキュートな曲もあります.キリンジやスピッツや,うまく曲を消化していてバンドそのものの良さを再認識しました.
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