私にとっては「観覧車」の後、2冊目の柴田よしき作品でした。上巻の途中までは、もしかして柴田よしきは男性だった?と思いましたが、下巻で会話を中心に女性作家特有の特徴が顕著になるので、女性であることを再確認しました。
高村薫の「李謳」を彷彿させながら、会話の多さ(特に下巻)で読みやすい(柴田作品はどれも会話主体で読みやすいですが、その中ではこの作品は際立ってじっくり読ませますが)。BL愛好家にもファンが多い作品だそうで、その点も「李謳」に似ているのかな。ですが、この作品はボーイズラブというジャンルに特定される作品ではなく、ミステリーでもあり、警察小説でもあり、ヤクザ文学でもあり、ハードボイルド作品であり、哀しい人間の心の道程を綴った作品でもあり、色々な要素の詰まったジャンルの特定の出来ない幅の広い深い傑作だと思います。衝撃的でした。RIKO作品も花咲シリーズも読了しましたが、一番ダークで、一番印象の強い作品で、柴田作品で一番好きな作品です。著者自身も一番大事な作品だそうですが、頷けます。
ポイントは山内と麻生の心の旅路です。それは社会的には転落であり堕落でありながら、美しい愛の軌跡であり、その心の旅路が丹念に書き込まれていて他者を寄せ付けない高潔ささえ漂います。おススメです。
Java を使い始めて 2, 3 年ほど経ちますが、言語に関する勉強は本を 2, 3 冊読んだ程度で、後は web 上の情報に頼りっぱなしだったので、もう一度ちゃんと学びなおそうと思って本書を読みました。
Amazon.co.jp のレビューでも散々訳がひどいと書かれていたので覚悟はしていましたが、やはり訳はひどいものでした。 全体を通して全くわからない、ということは全然ないのですが、何回か読み直して考え込まないと全く理解できない箇所や、今現在でも理解できていない部分が少しだけ存在します。 ただし、そのような箇所は本当に一部だけであり、基本的には読みづらいものの意味は理解できました。
内容的には、Java の型や制御構文といった基礎的なところから、ある程度高度な内容 (Thread の同期や国際化、ローカリゼーションなど) まで含んでいます。 ある程度高度な内容も含むとはいえ、Java を使うのであれば知っておくべき事柄がほとんどなので、Java をある程度使ってはいるけどまだ入門書しか読んでいない、というような人は是非読んでおいた方がいいと思います。 内容的には星 4 以上ではあるのですが、いかんせん訳が悪くて読みづらいので星 3 つとしました。
京都では、家庭で作るお総菜のことを“おばんざい”と言うのですね。その、おばんざいをメインに出している、東京・丸の内界隈の小料理屋の女将(おかみ)と、店を訪れる客との心の触れ合い、心の交流を描いた連作短篇集。 シリーズの前作の読み心地がとてもよかったものですから、本書もそこそこ期待して読みはじめました。そしたらこれが、期待以上によかった! シリーズ二作目だし、前作からかなり間が空いているし、どうかなあと心配したのですが、目頭を熱くしてくれる温かな味わいは格別。
北森 鴻の手になるビアバー“香菜里屋(かなりや)”もそうですけど、こんな店がほんとにあったらぜひ行って、美味しい料理を食し、心地よい店の雰囲気に浸ってみたいものだなあと思いましたね。 ただし、“香菜里屋”では、不思議な謎を客がマスターに話して、それを店の客同士、推理し合いながら、最後はマスターの工藤が解くというスタイル(アシモフの『黒後家蜘蛛の会』を彷彿させる連作短篇ミステリ)でしたが、“ばんざい屋”では、悩み事を抱えた店の客が女将と話し、家庭的な味の料理を食すうちに、心の重荷がだいぶ軽くなっていると、そういう話の流れになっています。ミステリというよりは、時代小説の江戸・人情ものの雰囲気に通じる趣を感じます。藤沢周平の時代小説(『三屋清左衛門残日録』のような)に出てくる小料理屋のたたずまいに近いものがあるかなあと。 また、“ばんざい屋”を訪れる客が人生の転機を迎え、それにどう向き合い、決断していくかも、本書の読みごたえのひとつ。
心さびしい夜、ナイトキャップ代わりに、丹波出身の女将が営む“ばんざい屋”に足を運んでみてはいかがでしょう。前作『ふたたびの虹―推理小説』を読んでから、本作に向かうことをおすすめいたします。
「この人はこち亀読んだことあるんだろうか」と思ってしまうような
違和感のある作品もありますが、全体的に楽しんで読めました。
7本の中では今野さんのプラモデルの話が好きです。
両さんは最後に少しだけ出てくるだけですが、
主人公がそこにたどりつく過程が丁寧に書かれているため、
最後は自分のことのように感動し、涙が出そうになりました。
この作品を読むだけでも価値のある短編集です。
本書の前書きにも書いてあることですが、この本はパフォーマンスについては考慮していません。
あくまで、正しく分かりやすく柔軟性のあるプログラミングを学ぶための本です。
とは言っても内容は極めて実践的で、経験に基づいたノウハウ集です。
この割り切りのおかげで無駄な記述が無く、どの章も内容が濃いです。
Java5以降のジェネリクス・アノテーション・列挙型にも相当ページ数割かれており(合わせて70ページぐらい)内容も面白かったです。これらの意味は分かるけど使い方に自信が無い、という方にもお勧め。
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