赤瀬川さんが日本各地の魅力ある個人美術館を訪ね、その成り立ちを取材するとともに、所蔵作品を鑑賞していく一冊。雑誌の連載をまとめて再編集したものだそうです。45の美術館が豊富なカラー図版付きで紹介されていて、赤瀬川さんが寸評を加えている作品は、だいたいその写真も載っています。
「個人美術館」には二通りの意味があって、ひとつは一作家単独の作品群からなる美術館のことで、もうひとつは私的な一個人のコレクションに由来する美術館のこと。赤瀬川さんはそれらの美術館が創設されることになった発端に関心を寄せ、来歴にまつわる数々のエピソードを通じて、美術館の礎を築いたコレクターや画家たちの人柄と人生に思いを馳せていく。
赤瀬川さんの語り口は自在かつ率直で、緩やかに作品をとらえていく文章は平易で親しみやすいけれど、そこには同じ画家としての批評眼に裏打ちされた実感がこもっている。
また、建築物としての美術館にもスポットが当てられていて、外観や内装、展示室の様態などが来館者の視点から語られている(入口で靴を脱ぐかどうかの違いにも着目している)。美術館が立地する周辺の環境についても触れられているので、写真とあわせて、美術館のことをよりイメージしやすかったです。場合によっては、美術館へのアクセスの段階から記述がなされていて、現地に不案内な赤瀬川さんの様子が時に垣間見えて、それも本書の楽しさの一つになっている。他にも随所に赤瀬川さん独特のユーモアが感じられ、リラックスしながら読んでいけます。
つい続編や海外編を期待してしまうくらい、本書の内容はとても充実していて面白かったです。
【地方別収録美術館数】九州地方:3館 中国地方:7館 四国地方:3館 近畿地方:7館 中部地方:10館 関東地方:15館(※東京から最多の7つ、次いで愛知から5つ選ばれていました。)
噂には聞いていましたが、今回初めて拝聴する事が出来ました。いやぁ、凄いですね!最高の名盤(迷盤!)です!!口上でのタモリさんもメチャクチャ、暴言のオン・パレードです!構成についてはショックでした。“こういうアルバムもあるんだなぁ…”と衝撃を受けました。ギャグ盤な筈なのにバカに出来ないのが歌です。全曲素敵です。ハトヤのテーマから始まり、優柔不断音頭までどれも素敵です!伊東鳩子さん(笑)も聴かせてくれます。名曲でした!とにかく買って損なしです。“ちょくそ”する気になりません(笑)!!
もう著者の発想には脱帽だ。高齢者に見られる諸症状をマイナスと捉えず、「老人力」という斬新な造語を作って、事態に前向きに対処して行くという姿勢には素直に感心させられた。「ボケたのではなく、忘れる力を身に付けたのだ」という発想は並大抵のモノではない。
私を更に驚かせたのは、本書を読んだ(噂を聞いた?)70才になる義母が「私も「老人力」を身に付けなきゃねぇ」と呟いたのを聞いた事だ。私は早合点で、本書が主に高齢者を介護する立場の方のためのコンソレーション用だと思っていたのだ。現役(?)の高齢者の方にも直接役に立つ本だったのだ。
すると、数年後に高齢者と呼ばれる世代の方にも役に立つ訳だ。これを自分の世代にも活かさない手はない。会社でイヤな事があった時などは「老人力」を目一杯発揮して、新しい明日を迎えよう。
メンバーが素晴らしい。赤瀬川源平さん。何者なのでしょう。この人は…。「知るを楽しむ」でもこの人はフツーの人だな、と最初は思いましたが、感性と努力と面白さがあり、非常に不思議な方です。兄弟で作家であるし、友人の人も面白い。芥川賞作家でありながら、芸術家であり、前衛芸術もする。一方で老人力などという不思議な発想をされ、ベストセラーにする。一番の偉業はトマソン学でしょう。本書のすごさ、本当に何気ない日常から物事を見る。マンホールの蓋、四谷の純粋階段、看板建築。一体何の役に立つのか、この不思議の研究を続けているが、純粋に面白い。奇妙なことをやっているが、やはり面白い。夏にたてもの博物館に行った際に、この学会?の方の展示会があり、やはり爆笑ものでした。さまざまな看板、不思議な表現がある。月刊のJAFにも変わった標識を紹介しているが、この本の影響を受けているのでしょう。世の中本当に面白いことだらけということを感じさせてくれます。タモリ倶楽部的でもあり、楽しみは尽きないですね。
アークヒルズの建設用地買収時期の話や、そのころの写真も掲載され
東京都心在住の人は必読です。トマソン探しだけでなく、様々なエピソードから
住宅や地域は金銭的な価値ではかられるだけでなく、「人が存在する所」だという
当たり前のことを再認識せてくれました。読んでよかったです。
人の生きるところにトマソンあり、でしょうか。
面白さでも読む価値あります。
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