とりあたまJAPAN: 日はまた昇る!編
サイバラ画伯が結構テーマに寄せて漫画を描いているところは不満である。
これまではテーマなど無視したふりして自由奔放に描くところが魅力だったのに。
では、いくつかの章を見てみよう。
「TPP」
佐藤優氏はTPP賛成である。中国もアメリカも帝国資本主義に盲進するいま、
日本はどちらかと手を組まねばならない。手を組むならアメリカ、だからTPP支持である。
中国は怖い国という考えだ。しかし日米同盟を強化してもアメリカは中国の脅威から日本を
守って暮れはしないだろう。なぜなら、アメリカが大切なのは日本より中国だから。
サイバラ画伯はテラ銭を取るのがアメリカで賭場が大東亜共栄圏という理解。
僕はこっちの意見に賛成である。TPPがギャンブルであるなら、儲けるのはテラ銭を取る胴元
アメリカだけで、ギャンブルの参加者は決してプラスになることはない。
ギャンブルの鉄則である。
「橋下徹大阪府知事(執筆当時)」
佐藤優氏は「政治は言葉の芸術」だという。その意味で「君が代起立条例」も成立させ、
強制力により国民を縛る思想を勝利させた政治家としての橋下氏を評価する。
しかし、橋下氏が政権を取る日がきたら、法律や規律で縛られるのが嫌いなので、
奥さんと猫4匹を連れてどこかに逃げることを考えたいそうだ。
僕はこのポピュリズム政治家に「巧言令色、鮮なし仁」の言葉を投げつけたい。
サイバラ画伯は橋下氏を「平成の楠木正成 悪党橋下徹大阪府知事」と斬り捨てる。
僕も賛成。
ところで2012年4月12日付け、朝日新聞読者投稿欄に一般投稿として投書された
作家・赤川次郎氏の意見には目を瞠る。「橋下氏は価値観を押し付けるな」同感である。
世界が今夜終わるなら
毎日変わらず過ぎていく日々。それが当たり前に思えていたけれど、3月の震災。考えたくないけれど、この本の題名のように、いつか本当にそんな日が来るかもしれない。
だから、いつ終わっても、明日終わっても、今終わっても、悔いの残らないように1日1日を大切に過ごしていこう。
前向きになる、今を考えさせられる素敵な一冊です。
本当オススメ。
世界が今夜終わるなら。私は、絶対笑って終わりたい!!
あの女(オンナ) (文庫ダ・ヴィンチ)
岩井志麻子作品は処女作と、初期短編ぐらいしか読んでいなかったのですが、なぜかとゆうと、合わなかったから。
で、10年ぶりぐらいに志麻子作品を読んでみたら、あら不思議、おもしろかった。単純におもしろかった。
彼女の作風、文体が変わったのか、自分の趣味、思考が変わったのか。
恐怖とそのまわりの不純物が染み込んできて、体に残る。この作者の本が読みたくなる衝動。これからの日常に影を差してくれ作品なのは間違いありません。
ただ、「あの女」に対する「女芸人」の立位置にブレがあるので、それがやっかいかも。
「有名人になる」ということ (ディスカヴァー携書)
自分を商品としてとらえ有名人になることを選択。あのカツマーブームは自身が選択して仕掛けたのだとよく分かった。
「有名人になる」という体験が出来る人は少ないだろう。ただ「有名人」の手前で止まっている人や勘違いしている人も多い。そういう人には自分に足らないものが分かるはずだ。
勝間氏の本は半分くらい読んでいるが、この本には一番体温を感じ、苦悩も見え、共感できる箇所が多かった。
有名になることで手放したものもあるだろう。予想以上にたたかれたりもしたのだろう。
ただその「覚悟」には敬意を示したいと思った。
パーマネント野ばら [DVD]
海辺の小さな港町に佇む美容室パーマネント野バラにひとり娘を連れて出戻ったなおこ(菅野美穂)を中心に繰り広げられる人間模様。ゆったりとした時間の中でそれぞれの人生があった。
たとえどんな親子であっても、どんな隣人であっても、どんな友人であってもみんなつながって生きている。笑って、怒って、泣いて、何ともシュールな作風に仕上がっている。
主演の菅野美穂さんは等身大の女性を演じていますが、恋人カシマ(江口洋介)と一緒にいる時のシーンでは、子持ちの母親とは思えないまるで少女の様。女は幾つになっても女であり続けるわけですが、実はこれはラストを観れば納得、計算されているんです。改めて菅野さんの細かい表情に惹きつけられます。
人はいつまでも夢を見続けたいと願うもの。現実の厳しさから逃れるように。
この作品を見終わった後、なぜか真実の怖さを感じた。