D・W・グリフィスの嵐の孤児 <全長版> [DVD]
D・W・グリフィスが自作『イントレランス』の中世フランス編を更に発展させる形でメロドラマ化した作品。
フランスの街並を巨大セットで再現し迫力ある革命の戦闘場面を織り込んで描く、姉妹の小さな物語。
市街戦には千人単位のエキストラが動員されているが、それ以上にみせる演出は『国民の創生』で既に確立されている。
フランスの巨大セットの系譜といえば、R・バリモアの『我も若し王者なりせば』へと受け継がれ、『嵐の三色旗』にいたる。
そのどれも超大作の風格があるが、特に『嵐の孤児』はメロドラマの部分にも優れ、ラストの名高い救出と共に忘れがたい。
あわやギロチン刑に掛けられそうになるL・ギッシュのグローズアップは、殆ど倒錯趣味の権化と化している。この顔見たさにD・W・グリフィスはこの超大作を撮り上げようと思ったとしか考えられない。この行き過ぎた趣味を我々は映画史上でも類の無いものとして歓迎するだろう。
イントレランス クリティカル・エディション [DVD]
壮大な物語というより複雑な物語です。70年代のひとりぼっちの青春 [DVD]が2モンタージュでわかりにくかったですが、本編は4モンタージュで心してみないとさっぱり訳がわからないとおもいます。映画館で3回みてなんとなくわかったバカな私です。
淀川長治さんがはじめてこれを見たとき随分はしょってあったそうですが、私が映画館でみたときもここに書いてあるより短い上映時間だったので巻がたりなかったんでしょう。
ビデオやDVDはカットが多くがっかりすることがありますがこの分数ならメセナ上映の強烈なインパクトが味わえるかもしれませんし、なんども見てモンタージュの呪縛からのがれることもできるかもしれません。
カオス(+2)
リマスター盤発売される甲斐よしひろのセカンドソロアルバム。
甲斐さんが大好きなラグビーへのオマージュ曲「インジュリー・タイム」。
他界したニューヨークの知人に捧げた「カオス」(近未来を歌った曲は当時
あまりありませんでした。そういう意味でもこれは画期的な楽曲でした)。
甲斐よしひろ初の完璧なファンクナンバー「WORD」。
1916年の映画「イントレランス」への想い「ミッドナイト・プラス・ワン」。
さんまのために書き下ろしたハートフルなラブソング「THANK YOU」。
映画「極道(やくざ)渡世の素敵な面々」の主題歌「I. L. Y. V. M.」。
と、オマージュ色に満ちたアルバムとなっています。
ソロ1作目「ストレートライフ」がバンド活動と並行しながら作られていった
という経緯がある事を考えると、
この2作目がある意味ソロシンガーとしての実質的な
甲斐よしひろファーストアルバムではないかと思います。
バライティ色の強い楽曲群がその事を物語っているような気がします。
まさか甲斐バンドで「WORD」は演れませんからね^^
深い重みを持った楽曲揃いのこの傑作アルバムがリマスター発売されることは
ファンとして嬉しいかぎりです。
D・W・グリフィスの大疑問【全長版】 [DVD]
本当に素晴しい!
コレを最後に観たはいつだっただろうか・・・
日本で本作が見れる日が来るとは!!
リリアン・ギッシュの美しさに酔い、D.W.グリフィスの雄大さに感動する。
そんな一本ですよ。
オルフェの方舟―ブギーポップ・イントレランス (電撃文庫)
しばらくの間「統和機構」の内情にスポットを当てたストーリーが続いていた為、久々に主役であるブギーポップが登場したかなという感じでした。
どんな平凡な人間でも、何かのきっかけで目覚めれば「世界の敵」になってしまうという初期の設定を改めて思い出させたストーリーで、配役のイメージも第1巻「ブギーポップは笑わない」を思い起こさせてくれ、いろんな意味で原点回帰といえる1冊です。