MFシリーズ/MFコンピレーション 熱血先生グラフィティ-学園ドラマ ミュージックファイル-
95年に同様の企画で「青春ドラマシリーズ ソングブック/これが青春だ」というオムニバスCDがキングレコードから発売されていたが、今回は主にコロムビア音源を中心とした学園ドラマの主題歌・挿入歌集。
キングの「青春ドラマシリーズ ソングブック」でのブックレットは各番組の紹介と歌詞の掲載データが少々のみだったが、この「熱血先生グラフィティ」は収録作品の放送リストや挿入歌の使用話数と挿入歌の使用回の言及など、より細かい部分を押さえたブックレットが充実している。音質もデジタル・リマスタリング作業によって過去のオムニバス盤より遥かに向上。
青春ドラマの主題歌集は手垢が付いた企画ではあるが、独自の工夫も見られる。
トラック7、9、12、13、22~24は初CD化の音源であり、懐かしドラマファンは勿論、中村雅俊ファンにとっても必聴盤であろう。
ただこのアルバム内の『熱中時代』『スクール★ウォーズ』の主題歌は急遽収録が決まったようで、ブックレットに放送リストも掲載されていないのが惜しい。
俺たちの旅 Vol.6 [Blu-ray]
日テレのあの時代の名作ドラマが今回 Blu-ray化して発売されます。BDの大容量を利用しての旧作テレビドラマのソフト化が大々的に始まったようです。うれしいですね。井の頭公園、トランザムの音楽、ほろ苦く懐かしい青春ドラマです。
私は中学の時再放送で見たクチなのですが、俺たちの旅は奔放に生きるカースケ、気弱だけど優しいオメダ、ダメなんだけどなぜか良くもてるグズ六さんの3人を中心に彼らを取り巻く人々と彼らと出会う様々な人たちとの出会いと交流、楽しいことや苦い経験を描いた青春ドラマです。
10年ごとに制作された続編も今回最終巻には収録されるそうです。カースケと洋子の恋愛は「十年目の再会」の時、描かれた物語で胸が痛くなりました。小椋佳さんの「少しは私に愛をください」が挿入歌で流れ
「やさしくしないでよ、私にやさしくしないでよ!」と砂浜で逃げ出す洋子。彼女にはカースケたちと歩んだ青春の日が懐かしく、そして切ないのでした。青春の日をともに歩んだからこそカースケに飛び込めなかった自分。振り返る青春の日は、人生のすべてではなく彼らにとっても今も続く人生の旅なのです。
「年をとる度に寂しさは増していく。されど心は俺たちの旅」
ずいぶんあの日から遠くへ来てしまいましたが、こうして再びソフト化されることで一つの時代の雰囲気が甦るような気がします。1巻ずつゆっくり購入していこうと思っています。
先日ラジオに出演した田中健さんが「実はまだ終わっていないんですよ。40年目にやりたいと思っているんですよね。」とおっしゃっていました。楽しみですね。
われら青春! Vol.1 [Blu-ray]
念願の『飛び出せ!青春』をブルーレイで手に入れ、一気に見て以来「やっぱりこっちも押さえとくか…。」という想いが日に日に強くなり、たまたまおサイフの方も余裕があったのをいいことに、同じ太陽学園が舞台で、スタッフや助演陣がほぼ同じ、この『われら青春!』も行ってみっか、ということになった。
オレは小4で本放映を見ているのだが記憶がほとんどなく、再放送も少なかったため、実に新鮮な気持ちで見ることができた。
見ていて強く感じたのは、同じ基本設定でも“何か新しいもの”を生み出そうというスタッフたちの心意気だ。
キャラ設定や筋の運びがやや古風な印象だとか、女生徒たちのルックスがどうもグッと来ないとか、そういった部分は気になったものの、安易な二番煎じに走ることなく、まるで香港コメディー映画のようにハイテンションな世界が展開し(教頭(穂積隆信)と塚本先生(柳生博)、このコンビのエスカレートぶりにも注目!)、なおかつしっかりと泣かせる要素も入れてくれている。
そして『青春とはなんだ』以来、このシリーズの重要な挿入歌である「貴様と俺」がBGMや応援歌として多用される一方、じっくり見ていると、この翌年始まる『俺たちの旅』につながるエッセンスもあったりして、これが日曜夜8時の日テレ青春学園ドラマシリーズの“結論”―結果として、ひとまずのシリーズ最終作となったが…―であるような印象も受ける。
DVDのマスターを流用したという画質はなかなか良好。音質は『飛び出せ!』のようにクリアではなく、“昔のドラマ”らしく、こもっている。音声カットは沖田先生のあだ名のみ。映像特典はなし。
それにしても、岡田プロデューサーの当初の構想通り、もし松田優作が主役の先生を演じていたら、果たしてどんな表情をみせ、どんなドラマに仕上がっていたか。想像しながらこの『われら青春!』を見るのも一興かもしれない。
われら青春! Vol.2 [Blu-ray]
『飛び出せ!青春』も好きな人にとってのボーナス・エピソード(?)、「われら同級生!」のことをメインに書かせていただこうと思う。
木次(沖正夫。のちの森川正太である)と畑野(降旗文子)が結婚することになり、思い出深い母校の教室で式を挙げたいということから、片桐(剛達人)、柴田(頭師佳孝)、そして沖田先生(中村雅俊)の大学の先輩でもあるビギン(村野武範)ともども、太陽学園へとやって来る……という筋立て。
ビギンは本倉先生―今回は登場せず―と結婚して太陽学園を辞め、今は島の小学校の教師をしているという(どうでもいいけど、髪の伸びっぷりがすごい。TV『日本沈没』の撮影に入る直前だろうか)。
いっしょにやって来た教え子たちは、全員大学生になった模様(柴田の落武者風ロンゲが目を惹く。片桐は『電撃!!ストラダ5』でヒーロー業をこなした直後。木次はほぼ『俺たちの旅』のワカメに近づいている)。
となると、心中複雑なのが“高校5年生”の山本(穂積ペペ)だ。
その山本のことが原因で『飛び出せ!』チームと沖田の生徒たちとの間に不穏な空気が流れて……。
まぁ、『われら』での山本は何も気にかけることなく、時に先輩風など吹かせながら気楽にやっているかのようにみえたが、ダブった当人がその事実を気にしていないわけがないのであって、そのへんの苦渋を軸に、しかしシリアスなだけでなく、ビギンにベタ惚れだった真樹(青木英美)が、久々の再会にどう対処するかなど、楽しい要素も入れ込んでドラマを展開させるあたり、さすがは敏腕脚本家・鎌田敏夫である。
ついでのようになってしまったが、この巻では他に「やればやれるさこれが青春!」がおすすめ。軽い、楽しめる話だと思っているうち、いつのまにか怒涛の感動モードへと突入して行く。あの「ふれあい」が初めて歌われるのも、この巻収録の第13話だ。お聴き逃しなく。
俺たちの旅 Vol.5 [Blu-ray]
「俺たちの旅」こそ、私にとってドラマ史上最高の作品です。自分の為ではなく、友の為に本気で怒るカースケが実にいい。2015年製作予定!?のあれから四十年後の三人に会うのが楽しみです。