村西とおるの閻魔帳 ―「人生は喜ばせごっこ」でございます。
元々ブログの愛読者で毎週楽しみにネットで読んでましたが、
こうやって単行本としてまとまった形になって読むと、
更に、村西氏の言葉がじっくりと伝わってくるようです。
(2009年1月〜11月の日記からの厳選)
物騒すぎる芸能界の裏話や社会情勢の話題から、
エロスをたっぷり含んだ村西氏の豊富な体験談など、
400ページ読み応えギッシリです。
また、普段の生活や性活で忘れがちな「言葉」の重要性など
説いてくれています。
村西氏のお父様のお言葉である
「人生は喜ばせごっこだ」。
単純であり、実はとても深くて重要な、
このナイスな言葉がしばらく頭から離れられそうにありません。
新・AV時代
1900年前半から2000年前半にかけてのAV業界の人達が活写されています。
前例も無い映像の世界に対し何がそうさせるのか、自ら求むる作風を追求するおとこ達と、
彼らに縁のあったおんな達。そんな人達の生き様の描写には迫力があります。
それは、著者もそのネットワークのなかにいるためです。
主だったところでは、村西とおる、代々木忠、日比野正明、佐藤太治、高橋がなり、
そして、樹まり子、飯島愛、黒木香、卑弥呼の名があります。
テリー伊藤の名があったのは意外でした。
物書きとしてのスランプ、AV業界の人達との関係が著者自身にも物語をつくっていきます。
やがて結婚し、赤ん坊が生まれた著者の人生が、何かに駆り立てられたようなおとこ達の人生と
オーバーラップします。形は違えど、山あり谷ありの人生が。