Ultravox
このアルバムが一番好きだ。それはカテゴライズされていなくて、なんだかまだ分からないカオス状態だったからだろうと思う。
曲によってはロキシー風だったり、ボウイ、スティーブ・ハーリー風だったりするけど、フロントマンのジョン。フォックスの放つジャケ通りのギラギラ感、それと相反するかのような、クールで殺伐とした虚無感、絶望感のコントラストは実に面白い。楽曲も単なる先輩グラムロッカーたちのコピーに終わらない、バラエティに富んだドラマチックで感動的なものだ。
ほとんどイーノの作品のような、「マイ・セックス」はこの作品中のベストトラック。また「機械になりたい」は、マシーンや人工美を愛する、ジョン・フォックスのライフテーマのような耽美してるナンバー。
まだ演奏がジョン・フォックスのヴィジョンについていっていない気がするが、観念的には随所に独特の未来派志向が窺え、次作以降の展開に大いに期待を持たせた。
The Very Best of Ultravox
今までアルバムをじっくり聴いたことはないバンドだけど、1曲1曲は聴いたことのある曲ばかり。
とにかくメロディーがキャッチーで古さを感じさせない。
#Reap the wild wind, #Love's great adventure のようなカラフルな曲から#Viennaや#Lamentのようなモノクロな感じまで、80'sに留まらない名曲揃い。
それでいて変わらず全体に確実に漂っているUKバンドの香り。
これはDepeche ModeやSimple Mindsに引き継がれていると思う。
PVが17曲も入ってこの値段はお買い得。初期の画質も悪くない。
Systems of Romance
後期ウルトラボックス(ミッジユーロ時代)は高校生当時にリアルタイムで聴いております。1983年、福岡であった「HYMN」ライブでは、生で動くミッジに感動(笑)したものです。
で、当然、過去を探る旅も行っており、ジョンフォックス在籍時の「ULTRAVOX」、「HA!HA!HA!]も聞き込んでおりました。
そして、この前期ウルトラボックス最後のアルバムであるこの「Systems of Romance」。
後期ウルトラボックスから入った私は、前期の初期2作からはギターサウンド中心のバンドという印象を強く受けたのですが、このアルバムは本格的にシンセサウンドが導入されているという感じがします。ジョンフォックス本人が過去作で「I want to be a machine・・」と歌っていたように、ようやく満足できる環境で作り上げられたアルバムとなったのではないでしょうか。
ヨーロッパの哀愁とロマンティックさを感じさせつつも、どこか「光が射した」アルバムで、捨て曲なんか皆無です。冒頭の「Slow Motion」から「Some ofThem」、B面の「Quiet Men」から「Just for a Moment」まで、一気に聴かせてくれます。「Slow Motion」のイントロなんか、ゲーリーニューマン初期に影響を与えたのが如実にわかるサウンドですね。それに、シンセサウンド一辺倒ではなく、ギターサウンド等生楽器、そしてジョンフォックスの声との調和がとても美しい。また、ギターサウンドエフェクトも後期ウルトラボックスにしっかり継承されておりますね。
残念ながら、当時はこのアルバムでもヒットを飛ばすことができず、前期ウルトラボックスは解散してしまうのですが、後期ウルトラボックスの成功がなかったら永遠にこの名作を聴くことがなかったであろうことを考えると皮肉な話だな〜と思うわけで・・^^;)。
「この傑作がなかったら、後期ウルトラボックスの成功もなかった」と私は思いたい。
Vienna
今から20年ほど前に三宅一生さんがヘリコプターから颯爽と降り
「日本の女性も綺麗になりましたね〜」
というキャッチコピーで有名になったCM、確かサントリーだったと思います。
そのCMのBGMが第二期ULTRAVOXのNEWEUROPEANSでした、
今聞けばなんて事の無いサウンドですが
当時ではギター・カティングやシンセサイザーは正に「斬新」という
言葉しか当てはまらないくらいの衝撃です。
このCDは第二期ULTRAVOXの記念すべき作品です。
叙情溢れるBilly Currieのシンセサイザーやヴァイオリンメロディー
とMidge Ureのカナリアのような歌声は世の女性たちを虜にさせました。
(後にVISAGEが結成されます)
日本人の描くUK紳士像そのものがULTRAVOXでもあった時代の頃です。