古代ローマの饗宴
この本なくして以後の古代ローマ料理研究はありえない。
古代ローマの料理を研究するための第一級の資料は『サテュリコン』における「トリマルキオの饗宴」の場面であるのは常識で、この本もこの場面を基に、当時の食材、調味料などを綿密に検討。盛り付け、飾りつけについても自らスケッチをし、更には自ら調理もし、どうしても現在入手不可能なものは現在手に入る材料で再現し、主な料理のレシピまで載っている。優れた研究書でありながら、自分でも作ってしまいたくなるお役立ち本でもある。ちなみに著者はメディチ家の血を引く研究家で、大変な日本通でもあるそうだ。
古代ローマの料理をテーマにした本で、この本を参考文献に挙げていないとしたら、研究姿勢に問題があると言わざるをえない、そういう存在。