第四の壁―アナザーフェイス〈3〉 (文春文庫 24-3)
このアナザーフェイスシリーズ、順を追って面白くなってきてます。
解説をテレビ版アナザーフェイス主演の仲村トオルが書いています。
この人、文才ありますね。
本編は主人公・大友鉄の出自をなぞりながらもキャラクターを深く
掘り下げて更なるシリーズ化に向けた壮大な序曲って感じ。
少し残念なのは鉄が刑事になった理由がシリーズ三作目にして早くも
語られてしまう所。
読者に勝手に解釈させておけば良かったのにな、と。
シリーズのどの作品がテレビ化されるのか判りませんが、吉行和子
の義母役に早くも期待大。
アリアドネの弾丸
医療エンターテイメントを多く手がける作者による3人の死亡事件を扱った作品
作者の作品のパターンは、処女作である死因画像診断と、トリックを
生かした作品、産婦人科医、僻地医療など時事を題材とした作品
そして、その他と大まかに分けられますが、この作品は最初の
画像診断と、トリックを生かしたエンターテイメントになっています。
バチスタと同じく、「行灯」田口医師と「火食い鳥」白鳥の
コンビが中心となっています。
設定は、MRIやCTなどの医療器具を死亡判断に使おうとしている
画像判断センターの設立をしたい医療側と、従来の解剖による
死亡判断をしたい、司法側の対立があるとの設定の基に
なっています。物語は、まず、CTやMRIでは判断できなかった
死因不明の医療技術者の謎の死から始まります。そして
画像判断センターの中心的な装置である、MRIで、
司法が「下策、廻天」を行い、画像判断センターの設立を
阻む動きが発生します。
この設定が憎いことに、犯人は捕まった病院長では無いことが
わかるものの、司法の強力な壁によりでっち上げが作られ
しかも、強制捜査という暴力により既成事実が出来るまでの
厳しい期間の間、捕まった病院長の無実、そして真犯人を
見つける作業をしなければならないという厳しい制約が
この話を盛り上げます。
なんとも憎いのは、「廻天」という人間魚雷の名前通りの
完璧な作戦で、最後に白鳥が謎解きするまでまったく想像外の
設定でとても楽しめました。また、医療技術者の不審死の
謎解きも合わせて行われ、これまたバチスタよりも凝った
設定になっており楽しめました。
また、バチスタ同様、ほとんど登場しないキャラクターが
いっぱい出てくるのも、贅沢と言おうかすごい構成になっています。
組織のウラの、見にくくも汚い壁も話の筋の一つに入っていて
手放しに読後感が良いとは言い難い作品ではあるのですが
なにより、白鳥の犯人を追い詰める理路整然さ、そして
田口医師のボケが楽しい作品になっています。
初期作に戻ってさらに面白くした当作品は、
かなりおすすめできます。
海猿 UMIZARU EVOLUTION DVD-BOX
映画版『海猿』も良かったですが、テレビ版『海猿』は、さらに良かった!
潜水士になった仙崎の、(いろんな経験を経て)成長していく姿がテーマ。
巡視船「ながれ」の個性あふれるメンバー。
個人的には、人に厳しく自分に更に厳しい『池澤さん』が好きです。
そのせいか、第7話〜8話放送終了後は、しばらく立ち直れませんでした…(TT)
カンナとの恋も気になるけど、やっぱり男同士の厚い友情がイイです!