Down & Dirty [DVD] [Import]
演奏、映像は申し分ありません。
期待どうりといっても良いでしょう。
ところが、音が納得いきません。
大げさに言うと、ホールの後ろで隠し取りをしたような音です。
録音が悪いのか、ミックスダウンが悪いのか、これではプレイヤーに
対して失礼だと思います。
生々しい迫力のある音で聞きたかったものです。
Medicated Magic
めでたく結成25周年を迎えたダーティー・ダズン・ブラス・バンドが故郷ニューオリンズへの愛情をたっぷり込めて送り出した作品。メンバーのオリジナル以外はすべてニューオリンズに縁のある曲のカバーであります。M4はオーティス・レディングの熱唱で知られる「ペイン・イン・マイ・ハート」の元歌でありますが、この曲が実はニューオリンズが生んだ鬼才、アラン・トゥーサンの手になるものとは、私も本作で初めて知った次第。
何より目を引くのは参加ゲストの華やかさ。先のM4でやけに甘い声で耳朶をくすぐってくれるのが有名になる前のノラ・ジョーンズだったり、M5で老獪音楽妖術師ドクター・ジョンが今さらながらのファンキー宣言をしていたり、M7でベテラン・コルネット奏者にして遅咲きの異文化混交アーティスト、オル・ダラがニューオリンズ的楽天気質全開ソング「ジュンコ・パートナー」を歌っていたり、はたまたM9でジャズ・ヒップホッパー、DJロジックがターンテーブルでキュッキュッ、キュッキュッと裏拍を奏でていたりするのです。
説明するだけでふうと一息つきたくなるほどの客人の豪華さでありますが、それらの曲ではダーティー・ダズン自身の持ち味はちょっぴり薄れているようにも感じられます。天衣無縫ラッパ吹き集団としての彼らの本領を遺憾なく発揮してくれるのは、何といってもシンコペートする素早いテーマをホーン・セクション全員で力一杯吹き鳴らすミーターズのM3であると私は思うのであります。
Voodoo
ピーター・バラカン氏がネヴィル・ブラザーズなんかの音を
中心にニューオリンズスタイルをラジオなどで広めていた
80年代末。このバンドの登場はちょっとした話題になりました。
既にコンコルドやラウンダー・レーベル(ライヴ盤)で
好き者の間では話題になっていたブラスバンド、だけれども
丁度スカタライツがスカ/レゲエとジャズのエッセンスを
行ったり来たりしているように、このバンドも乱痴気騒ぎに
見えるセカンドラインのブラスバンドスタイルと、ジャズの
エッセンスを足し合わせた本作があってこその存在なのです。
ゲストもドクター・ジョンは親戚みたいなモンだろうけれど(笑)
音もクロい方のマルサリス(C・パーカーの名曲を豪快にカヴァー)
や、老いて盛んなD・ガレスピーがスキャットまで披露!
豪快さはラウンダーのライヴ盤に譲るものの、ピシっとケツの
締まった演奏が聴けるこの一枚、外さないで頂きたいものです。
New Orleans Album
不穏な和声が支えるインプロビゼーションと圧倒的な安定感のテーマが繰り返す。こういうのもニューオリンズスタイルというのかどうか分からないけれど、どちらかと云えばモダンなコードが多い。このアルバムは。ヴォーカルスタイルのトラックとそうでない曲との対比、1曲の中でのモダンなコードと定番コードの対比。慎重につくられたアルバム。方向性は違うかもしれないけどMETERSと同じような堅実さを感じる。Eddi Boやコステロがいい感じなのは堅実さ故か。ゆるくて楽しく、、みたいな雰囲気はLIVEほどはどうしても感じない。でもそこがこのアルバムをむしろ飽きさせない風に仕上げてるような気がするなぁ。見事。
ライヴ・イン・ニューオリンズ
ライブアルバムであるこの一枚には、9トラック収録されている。しかし、聴いてみるとライブの模様が続けて入っているため、どこからどこまでが一曲かわかりにくい。その分実際にライブを聴いているような感覚が味わえる。管楽器とドラムやギターが、実に熱い演奏を繰り広げる!ジャズのようでファンキーなバンド!最高!!