マーラー:交響曲第8番
私は名古屋から駆けつけて本公演を聴きました。ベルティーニは現存する最高のマーラー指揮者で、速めのテンポながら入念なリハーサルを想像させる素晴らしい出来でした。但し、都響は弦を中心に健闘しているものの、リズムや音色はやや無機質で、全体的にはケルン放響との旧盤を推します。
このCDは宇宙的な空間作りを意識しているせいか、オフマイクで録音されています。大音量再生が憚られる住環境の方(私も含めて!)は、ヘッドホンで聴くことをお勧めします。
きのこ文学名作選
不思議な本だった。主役はきのこ。きのこを題材にした古今の文学作品を集めた本だ。狂言や今昔物語などの古典からいしいしんじまで16編が並ぶ。
うっそうとした薄暗い林間にひっそりと生えるきのこたち。色とりどりに美しいきのこはもしかしたら毒を持っているかも知れず、食べられそうな地味なものでもどことなくあやうさやはかなさを伴っている。この本に登場する作品はそれらきのこの特徴をうまく捉え、ときにはエロティックに、ときには滑稽にきのこを描く。どれも小編でありながら楽しめた。個人的なお勧めは加賀乙彦の「くさびら譚」。
そしてなにより特筆すべきはこの装丁。なんという豪華な本だろう。何ページにも渡って文字のない真っ黒なページが続いているかと思うと、実は少しずつ紙質が変化していて手触りだけがその変化に気づく。ときには本をぐるりとひっくり返さなければ文章が読めなかったり、光にかざしてようやく文字が読み取れる作品もある。ボール紙のような分厚いページが続いたかと思うとわら半紙のようなざらりとした質感のページに変わっている。フォントもレイアウトも統一性がない。けれども楽しい。きのこのように怪しく美しい本の中に入り込むうちに、自分が薄暗い木の下闇のなかできのこにたぶらかされているような気持ちになってくる。
心を整える。 勝利をたぐり寄せるための56の習慣
以前、メンタルスポーツの本を読んだのですが、目標をノートに書くことなどから始まって、その儀式っぽい内容に、イマイチ私にはずれているんだけど、と思ったときに購入した長谷部さんの本。とても良かったです。既に偉大なる選手でありながら、まだ27歳という若さで書かれたこの内容は、まったく「上から目線」でないのがとてもいいですね。
また、そのアドバイス一つ一つに自らの経験談が添えられていて、「こういうことがあったから、自分はこうするように心がけている」という内容になっており、「だから読者もそうするといい」という説教じみたことがひとつもない。実は、小学生から大学生(社会人も?)生活習慣の指導が実に難しい。学校の先生が教えようとしても、生徒が聞く耳を持たなくなりつつある。こういうスポーツ選手の書いた本を読んでもらったほうが彼らも素直に聴いてくれそうな気がしたのだが・・・。
また、世界を舞台に活躍するスポーツ選手でありながら、普段は27歳の若者なのだ、という一面もあり、それも読者に親しみを与える。心に影響を与えた本として、ニーチェの本や、本田宗一郎、斎藤茂太さんの本を上げている点も非常に興味深い。また、1人の時間を大切にするという下りも、27歳にしてのこの成熟振りは素晴らしい。この成熟ぶりが、帯の彼の顔写真にも出ていると思う。
夜
彼女の歌声は包み込むような温かさを感じることができる。
弾き語りを中心に数々のライブをこなし、
その中で知り合った仲間と沖縄でレコーディングされた
このアルバムは、デビューから9年間の集大成ともいえる作品に仕上がっている。
心やさしくなりたい人に是非にお勧めしたいアルバムです。
そして、これを聴いて気に入ったら是非ライブに足を運んでいただきたい。
彼女は12月18日にライブを最後に産休に入るけど、
7月にはライブの再開も予定されているので、
そのときは、母親としての愛も感じられる新しい
ハセガワミヤコに出会えることだろう。