“It”(それ)と呼ばれた子 幼年期 (ヴィレッジブックス)
とにかく、著者の精神の強さには驚かされます。
長年にわたり、ほとんど精神異常といえる母親に、人間とは思えないほどのひどい仕打ちを受け続けた。助けてくれると信じていた父親にすら見て見ぬふりをされる・・・。それでも必死に生き延びようとする子供。頼れるのは自分自身だけという絶望の世界。そしてその自分自身にも疲れ果てていく。もし私だったら、とうに人生を捨てて死んでいたに違いないです。
読んでいて私は3つの恐怖を感じました。
1つは、世の中にこんな残虐極まりない事が起きているという事実に対しての恐怖。
2つ目は、「もし自分だったら・・・」と想像した時の恐ろしさ。
3つ目は、生きている以上、自分もこの母親のように、異常な精神に支配される可能性はゼロではないという恐怖。
とにかく、3部作なので続編も読みたいと思います。いや、読まなくてはいけないという気持ちです。この「幼年期」には二度と読み返したくなくなるほどのショックを受けましたが、恐ろしい過去に立ち向かった著者の勇気を思えば、全て読むべきなのだ、と思いました。
こんなにも恋はせつない (光文社文庫)
恋の切なさに浸りたくて、この本を読んでみたのですが、
登場人物の感情やその表現が、あまり一般的でなく
私には深すぎて、あまり切なくなれなかった・・・。
もう少し普通にせつなくなりたかった。
これが本当の恋の姿なのかもしれないけれど、
それを理解できなかった私は、まだ恋に幼すぎるのかもしれない。
この本を読んで恋のせつなさを感じられる女性は素敵だなあと、
他の方が書かれたレビューを読んで思いました。
ただ、本としては退屈することなく
あっという間に引き込まれ、読み終えることができました。
ダ・ヴィンチ・コード(下) (角川文庫)
上中下巻、おもしろくて一気に読みました。
下巻もスピーディーに展開します。
最後の礼拝堂での謎のあたりは、謎の大きさの割には、
謎を解いた後主人公たちが淡々としている気がします。
ことの重大さぐあいが、あれ?こんなもの?と思ってしまいました。
最後のオチはうまいなぁと感心しました。