ザ・サイレント・コーナー・アンド・ジ・エンプティ・ステージ(紙ジャケット仕様)
ピーター・ガブリエル含むartistはバンド離れると、より解りやすい路線にいくもんだが、聴いてびっくり。
ほとんどバンドの曲ではないか!むしろ、もっと暗く内省的な曲が続く。感性が鋭い代表アルバム。
目と目
沢井一恵さん名義のアルバムとなっていますが、実質はAYUO(高橋鮎生)のアルバムといっても過言ではないと思います。1曲目「絵の中の姿」は後にAYUOが自身のアルバム「Red Moon」「絵の中の姿」で2度取り上げていますから、思い入れのある曲なのでしょう。Red Moonのヴァージョンは太田裕美さんと再共演ですが、そっちはギターの伴奏で、本アルバムの筝のヴァージョンの方が深みがあって、私は好きです。本アルバムの中では「散りゆく花の歌」が白眉ですね。沢井さんの筝やピーター・ハミルのヴォーカルが溶け合って至福の時を作り上げてくれます。アルバム中には唯一伝統曲の「みだれ」が収録されていますが、これにも違和感がありません。アルバム全体が東アジアの伝統を踏まえたものだからでしょう。邦楽方面からこのアルバムにたどり着いた方にもお勧めです。
シンギュラリティ(紙ジャケット仕様)
恐ろしいほどの完成度をもつ傑作。Clutch以後、才気の爆発はとどまるところを知らず、常に最高の作品を生み出している。しかし、本作は特別!旧来のファンも一聴すれば凍り付き、周りの時間が止まってしまうだろう。限界を超したエネルギーが自らを封印するというブラックホールの構造を持つ希有な作品。長年のキャリアに日和ることもなく、迸るクリエイティビティに加え成熟の味もある。どうすればこのようなスタンスが保てるのか本当に謎。必ず日本盤を出すべき。来日での再演を切に願う。