「夫婦」という幻想-なぜ、結局いがみあってしまうのか (祥伝社新書172)
国をあげて「婚活」ブーム真っ最中の今、結婚とは何かを真剣に考えたい方にとっては、名著だと思います。35歳、結婚について考えている私には、アマゾンからのメールを見た瞬間、買いだと思いました。「婚活」ブームに流されることなく、「なぜ結婚するのか」「結婚の意味」「結婚生活上努力するべきこと」を、真剣に考えてみるよい機会と思います。
「結婚」という言葉には、メディアに映し出される楽しそうな家族の情景や、性欲も手伝って、甘美な響きがあります。しかし、(私の実家もそうでしたが)父母ないし夫婦の仲に問題があり、機能不全に陥っている家族は少なくないと思います。主要なメディアは「機能不全家族」をあまり取り上げてくれません。結婚が甘美であると想像するのは不可避でしょうが、幻想にも近い想像は、現実をよく見るためにも、弱めたほうがいいでしょう。
「婚活」ブームには、「結婚しさえすればいい」「子どもができさえすればいい」という、結婚について軽い風潮を私は感じてしまいますが、そのような風潮に一石を投じる、時宜を得た出版でもあると思います。
機能不全家族に育った者として主張したいのは、もうこれ以上機能不全な家族を作って欲しくない、という叫びにも似たものです。これから結婚しようとする方は是非、本書を手にとって、深く考えて欲しいと思います。
孤舟
タイトルが印象的で惹かれるものがある。時代の空気を的確に読んだテーマ設定もさすが。
前半の主人公の定年後の孤独や無力感から夫婦仲も悪くなって行く描写はなかなか良い。主人公の融通の効かなさと妻の身勝手さの描写もリアルだ。
しかし,お得意の恋愛まがいの話が中心となる後半はちょっとまとめ方が安易ではないか。お手軽ハッピーエンドになってしまったのが残念。もっと定年後の男の孤独や行き場のなさの問題を掘り下げられなかったか。現実では問題はもっと深刻だろう。主人公はやがてどう老いて行くのか,夫婦はどうなって行くのか,ややネガティブ寄りのシナリオを描いた方が価値があっただろう。
炎情―熟年離婚と性
「クロワッサン」誌でお勧め書籍として紹介されていました。既に前作「快楽」は読んでいたので、二番煎じなのかなと思いつつ手に取りましたが、前作を更に掘り下げた、充実した内容です。「快楽」が問題提起と概論なら、「炎情」は具体的事例を挙げながらの各論展開。他の方が「快楽」を読んでから読むべきと書かれていましたが、その通りだと思います。きわどい内容なのに、良識的な工藤節ゆえ、読んでいて安心感があります。
このテの問題に興味をお持ちの方ならご存知でしょうが、同じジャンルの書き手として、他に亀山早苗さんがいます。40代の彼女の鋭い筆致が、同世代のまだたぎるような激情が引き起こす悲劇をえぐるのに対し、工藤氏の語り口には、ナイフのような切れ味はないけれども、人生の終着駅に近づいた人の、円熟した落ち着きと温かみがあります。
隣の芝生は青く見えますが、自分だけが特別に不幸ということはなく、皆それぞれ悩み苦しみを抱えて、傷つきながらも生きている。今与えられているものに感謝しよう。そう思わせてくれる本です。
RED‾Love is all around‾(DVD付)
アイドルじゃなく、顔のイイのじゃなく、ホントにカッコイイ音楽に出会えた気がする。こんなに怖そうな男たちがビックリするくらい綺麗なハーモニーで優しい歌を歌っている!それがCOLORだ!
新人の域を遥かに超えたレベルのシングルばかりで、さらにはATSUSHIのソロ曲も入るという。日本音楽界R&Bの最高レベル!っていうのも言い過ぎではないと思う。
ジャケットの良さも文句なしです!
RED‾Love is all around‾
このアルバムは捨て曲が一曲もないし他の方々がおっしゃる通り完成度が素晴らしく高い。何度リピートさせて聞いても飽きが来ない!愛について綴った歌詞、そしてそれをとどける歌声、そして全てを奏でるメロディーがこんなに心にしみ渡るアーティストはCOLORが邦楽だと一番やないかな。日本版JODECIになってほしい。そしてCOLORなりのR&Bという音楽をもっと開拓していってほしい。そう思わせるアルバムです!必聴!