私生活のない女 ヘア無修正版 [DVD]
その昔、フジの深夜で「ノーカット字幕」の映画枠があった。そこで偶然観た「私生活のない女」。当時、監督のアンジェイ・ズラウスキーという名前は一般的ではなかったと思われるが、彼の作品を一度観た者は良し悪しは別として強烈な印象を抱くはず。ソフィー・マルソー主演の「狂気の愛」よりも前に創られた「狂気」が、こうして蘇るとは!また観たいと思って10年来待ち焦がれた作品です。音楽も脳に張り付きます。狂気の愛を受け入れられた方なら、観る価値は大アリの作品です。
架空のオペラ
さすがジュリー、聴かせてくれます!まず第一曲目「指」がすごくいい!!‘人差し指…5本の指…10本の指…君を抱きしめたこの生き物で…’聴くたびにゾクッとします。このフレーズ。7分近い長い曲なのですが、まるでジュリーが演じる一本のオペラを現実に観ているような錯覚に捉われます。この曲を繰り返し聴いた夜は・・・ベッドの中まで忍んでくるような声・・・ジュリー、カッコイイ大人の男になりつつあるね!って思わず目を閉じたり・・・。確かに声の艶、パワーある歌唱力など、ジュリー本来の魅力が発揮されにくい楽曲群だったかもしれませんがそんなのものともせず、なかなかの完成度だと思いますよ。個人的には「指」「君が泣くのを見た」「灰とダイヤモンド」「影〜ルーマニアンナイト」「絹の部屋」が好きかな。この時期のジュリーはレコード会社の移籍なども含めていろいろあり、新しい自分の音楽スタイルを求めていく中で暗中模索という段階でした。そんな中で、派手な自己アピールよりも、「架空のオペラ」というテーマにいかに迫るか・・・この課題への挑戦をあえて優先したかのようなアルバムだといえると思います。その後、ジュリー自身「大人の男」へと成長していきつつ、スタイルもロック路線へと華麗な飛躍を遂げるのですが、その前に、私たちファンに残してくれた歌謡曲時代の集大成、まさにダイヤモンドのような一枚。高価でしたが聴いてよかった、お気に入りの一枚です。ファンは必聴!!
幻のメロディー(2)
Vol.1同様、沢田研二の曲が13曲中6曲も有る。「勝手にしやがれ」、「OH!ギャル」、「私生活のない女」、「絹の部屋」、「指」、「ママ・・・」。実際にリリースされたものと違うものもあり、変化する過程がわかる。
楽曲は他に、伊東ゆかりの「都会のリズム」、竹中直人の「謎とき遊び」、内田裕也の「ローリング・オン・ザ・ロード」など。
私生活のない女 [DVD]
一言、本編時間について言っておきます。
本来は115分の作品ですが、PALからの変換の為国内盤は110分となっています。(ちなみにイタリア盤・フランス盤も110分)
たかが5分と思いますが、実際115分の米国盤と見比べたら冒頭でのカプリスキー嬢が歩いているシーンの速度が若干違いますし、
何よりその後の全裸ダンスシーンでは、国内盤で見慣れると米盤での同様のシーンがかなりゆっくりに見えますよ。
それはさておき、全裸でのダンスが2回・鏡での大写し・劇中劇での撮影シーンなど実際カプリスキー嬢がヌードに
なっているシーンをトータルしたら、なんと本編中2割強の23分でした。
ポルノではない一般の映画で、これほどヌードシーンが多い映画も他にないでしょう。
しかも服を着ててもこのカプリスキー嬢、終始ノーブラなのが結構エロいです。
今度ブルーレイで出る時は、オリジナルの115分で特典映像がてんこ盛りのスペシャルエディションを期待したいです。