白い航跡(上) (講談社文庫)
東京慈恵会医科大学を創立した高木兼寛と,軍医であった森鴎外が登場する.二人は,いわゆる脚気の原因が何かについて議論するが...みんな森鴎外が医者であることを知っているが,具体的には医者としての姿を知らない人が多い.森鴎外の別の一面を知ることができるかも.
食う寝る坐る永平寺修行記 (新潮文庫)
今迄 色々な禅についての本を読んだ事があるが これほどまでに僧堂での生活を詳しく書かれた本は他にないのではないだろうか。 禅に興味がある方だけではなく これから僧堂で修行しょうとされている方達にとっても必読の本である。 僧堂で修行者に課せられてきた重要な課題 即ち、没我、我見を捨て去るという名のもとに新来の雲水に対して 古参雲水がありとあらゆる暴力と いじめを行なうのは まさに戦前の古参兵が新兵を訓練した手法そのものである。戦後60年以上経つ現代日本で それも 将来は 社会の人々を救済していこうと夢をふくらませて上山した者に対し この様な暴力行為が今も
行われているのは 悲しいと思うと同時に 禅宗そのものに 失望感を感じざるを得ない。
JIN―仁― 8 (ジャンプコミックスデラックス)
「安道奈津」や「富醂」「佐舞麗」で脚気の栄を救う挿話や南方と咲にふりかかる和宮毒殺未遂事件の災禍など、読み応えのある一巻。「作造り」に遭う彼の運命はどうなるのか・・・
それにしても、野風の「何か別の道を探した方が・・・先生のお役にも立てるのではないかと思いんす。あちきの本性を生かせる道を・・・」(68頁)との言葉の真意は・・・
巧みな伏線や登場人物の配置で物語がふくらんでいく様はさすがプロの仕事である。