Nobody Nowhere: The Extraordinary Autobiography of an Autistic
ドラマを全くと言っていいほど見ない私ですが、高校時代、なぜか自閉症の女の子が主人公のドラマに見入ってしまいました。
そして、参考文献として挙げられていたこの本を読みました。何か不思議な力のある本でした。
自閉症と闘う著者が記した自叙伝なだけあって、というかそれ以上にリアルです。とても描写力のある方で、
一つ一つの気持ち、行動を丁寧に振り返り、描き出しています。何か、とても引き込まれてしまうものがあります。
私個人も、多少人間関係に悩んだ時期があり、うつ病になり、パニック障害に近い状態になったこともあります。
だから、すごく共感してしまう部分もありますし、無知であった自閉症について、詳しく教えられた本でもあります。
自らの「生きる力」を取り戻すまでを率直に綴った、鮮烈にきらめく、魂の軌跡の記録、というコピーは
大袈裟でも何でもありません。それだけの内容に仕上がっていると思います。
自閉症について知りたい人も、心理学的なものに興味がある人も、そうでなくて、何かを得たい人も、読んで損になる本では
ありません。生々しいまでのリアルな描写もあり、筆者の悩み、葛藤、そういったものも伝わってきて、
さらに言えば超一流の文筆力を持っていて、気持ちのこもった素晴らしい本だと思います。何も批判するところがありません。
ちなみに小学生の子に貸したところ興味はあるけどちょっと難しい、と言って返ってきたので、対象年齢は中学生2年生くらいから…
The Man from Nowhere Level 2 (Cambridge English Readers)
Cambridge English ReadersのLevel 2(800語レベル)
語数 8,410 YL 2.7
インドを旅行し、自宅に帰る途中のこと。オマーン上空で高度を下げ
たところで鳥と衝突し、小型飛行機は砂漠に不時着してしまった。自
家用セスナで旅行していた父親、母親、そして息子の3人家族である。
幸い、命に別条はなかったが、母親の足は骨折をしてしまい、歩ける
状態ではない。セスナにはわずかばかりの食料と水分があったが、数日
ももつ量ではない。辺りは一面の砂漠で人など通るはずもなく、日中
は容赦ない太陽が照りつける…。
父親は助けを呼ぶために、意を決して海岸の方に歩いていくことにした。
母親と子どもには、助けを伴って戻ってくると約束して。
海岸は東の方向。父親は上着を脱ぎ上半身裸になり、太陽を背中に受け
ながら歩いて行くことにした。しかし、砂の上を歩くことは予想以上に
体力を消耗する。そして、何とか海に辿り着いたが、そこで意識を失っ
てしまう…。
そこを、地元の少年がたまたま発見し、父親は村へ連れていかれ、病院
で看護を受ける。数日間の昏睡状態を脱し、何とか意識を取り戻した
父親だったが、昏睡状態のショックから、自分の名前も思い出せない…。
地元警察も、この"the man from nowhere"を助けようとするが…。
果たして、父親は記憶を取り戻せるのだろうか…?
そして、残された母親と子どもの運命は…?
CERシリーズだけでなく、PGRシリーズも手掛けるBernard Smith氏に
よる砂漠を舞台にしたストーリーです。