東方求聞史紀 ‾Perfect Memento in Strict Sense.
図鑑と言うよりはほぼ活字という形式で綴られるこの本は、
稗田阿求という一個人の視点から、東方における場所や種族、人物等を紹介するものです。
つまり説明は稗田阿求の個人的主観によって綴られたものであり、
その情報が正しいのかどうかは分かりません。
加えて全ての物事について完全に網羅している訳ではないので、
設定資料集としては情報が欠如しているかのように思われると思います。
しかし東方における諸々の設定や物事は、その殆どが限定されたものではなく、
プレイヤーそれぞれの視点によって解釈してもらう事で成り立つものです。
『不明である』ことが『設定』なのであり、それこそがZUN氏の意図する所なのです。
そういったことを含んだ上での設定資料集であることを理解している方には、
単純に『読み物』として楽しむ事が出来ると思います。
お気に入りのキャラの意外な一面が分かるかもしれませんよ?
東方香霖堂 ~Curiosities of Lotus Asia.
香霖堂を読むのは初めてですが、ZUNさんが執筆されていて、唖采さんのイラストも可愛く雰囲気のあるものだったので、購入しました。
霖之助、魔理沙、霊夢を中心とした話で、登場キャラはレミリア、咲夜、紫、妖夢などで、名前だけ出てくるキャラもいますが、メインは妖々夢までのキャラです。
1話4ページ強の全27話の短編集で、本編のように大きな異変を解決するわけではないのですが、霊夢や魔理沙たちの日常を垣間見ることができます。
霖之助の蘊蓄自体は回りくどいですが、文章自体は読みやすいので、さくさく読めますし、読み返しても面白いです。
また、『幻想郷は明治時代で固定されている』など、幻想郷自体の設定も時々紹介されますので、今までのゲームの内容と照らし合わせると新たな発見があると思います。
表紙だけでなく、中の挿絵もすべて唖采さんです。
1話につき1ページのカラー挿絵と、単色カラーの小さな挿絵があるので、絵柄がお気に入りであれば、イラストだけでも買う価値があると思います。
ハードカバー仕様で、和風に統一されたデザインもとても凝っています。
紙質ですが、すべてのページが古紙柄が印刷されていて、雰囲気はあります。
反面、光沢がある紙質なので、テカテカしていて照明によっては反射して文字が読みにくいと感じました。
霊夢や魔理沙、咲夜のファンだけでなく、東方の読み物としても面白いので、オススメです。