嫌われ松子の一生 通常版 [DVD]
頭が良くて不器用、一途で最高に男運の悪いひとりの女の悲惨極まりない物語を、過激なバイオレンス、カラフルなポップス、懐かしい童謡迄も散りばめて、明るくノスタルジックなミュージカル風に仕上げた極彩色の「中島ワールド」に脱帽です。
只過激なだけではなく、心の暖かさ、素直さ、勇気、そして家族の絆の大切さがしっかりと描かれています。
元教師の松子が、どんなにボロボロになっても最後迄正義感と優しさを忘れていなかったラストシーンは最高に美しい。
女子高生から中年男迄が共に感動し泣ける?映画は滅多にありませんが、本作品がそれでした。
中島監督の作風は、見る人によって好き嫌いが分かれるかもしれませんが、今年の邦画、出色の一本だと思います。
嫌われ松子の一年
感想。「凄い・・・」
中谷美紀さんの赤裸々な暴言の数々に、とても驚きました。中谷美紀の清楚なイメージがとことん崩され、今までと違う中谷美紀を見ることができました。なんて、気の強い人なんだ。そして、なんて面白い人なんだ!「嫌われ松子の一生」での撮影秘話が盛り沢山!中島監督への正々堂々とした悪口が盛り沢山!撮影現場から逃げ出したこと、降板しようとさえ思った理由。それを留まった心情。映画への思い。監督への敵意と尊敬。共演者との楽しいエピソード。映画関連の本としての面白さのみならず、読み物としてもものすごく面白かったです。文にリズムがあり、バアッツと一気に読めるストレートさ。
読み終わって思ったのは、中谷美紀って頭いいなあ〜、ということだった。とにかく面白いです。そして、最後はちょっとジーンときました。
パコと魔法の絵本 オリジナルサウンドトラック
名曲「ア・ソング・フォー、ユー・パコ」が聴きたくて買いました。
5曲目に入っています。映画では少ししか流れませんでしたが(何故?)
ここではバッチリ聴けます。5秒でパコとの思い出が甦りますよ。
あと、ラスト36曲目は癒されますね。
オルゴールの音と女の歌声、これ反則ですよ。泣く。
土屋アンナとブッキーとのシーンで流れるあの曲です。
残念なのは木村カエラの「メモリーズ」が入ってない!
何で?何故?あの曲は入れなきゃ駄目です。
彼女はこの映画の為に書いたんでしょ?サントラに入れないと・・・
(映画のエンディングもこの曲流れないし!何で?)
あと、36曲と曲が多すぎますね。
もう少し減らしてまとめて欲しかったです。
嫌われ松子の一生 (下) (幻冬舎文庫)
下巻に入って、ほとんどnon-stopで読み切りました。なのにこの後味の悪さ。これほどまでに激しい転落の人生の結末、そんな女性がどうしてこんなどうってことない人に殺されてしまったのでしょう。ただ愛し愛されることだけを望んで生きてきたのに、どこをどうくぐっても彼女には女神が微笑んでくれない。二巻を通して、松子がぐんと身近なものになりました。途中龍洋一と聖書の出会いが、なんとなく不自然なものに思えたんだけれど。
嫌われ松子の一生 (幻冬舎スタンダード)
この小説は、昭和40年代、高学歴で教師というお堅い職業に就き、
きっと周囲や本人も明るい未来を信じて疑わなかったであろう一人の女性の
転落人生についての物語です。
人から見れば愚かな女、ということになるかもしれませんが、
きっと松子は幼児期の体験により、人から愛されること・必要とされることを
渇望するようになっただけの、愛に飢えていたかわいそうな人なんだな、と思いました。
そして彼女の人生の終焉は、なんだかリアル過ぎて、居たたまれない気持ちになりました。
物語の内容からして読後感は決していいものではありませんが、
物語に入り込んで一気に読めてしまうし、そういう意味ではおすすめの一冊です。