ICHI(7) (イブニングKC)
毎回、コミックスの発売を楽しみにしていました。
元々は綾瀬はるかさん主演映画のコミカライズですが、映画は未見です。
1巻の表紙が美しかったのと、盲目の女剣士と言う設定に惹かれて読み始めました。
最初は映画の宣伝の一貫だろうと、失礼ながらもそんなに期待しておらず…。
ところが、この漫画は映画とはまた全くの別物。
映画のあらすじは番宣で知っていたので、展開の違いや意外な登場人物に、読み始めた頃には少し驚きました。
絵も綺麗で話にはオリジナリティがあるし、構成もしっかりしていて、史実に絡めた展開には味があり、続きが気になる!
そんなワクワクする漫画だったのですが、無念な形の最終回に…。
単行本派のため本誌は読んでおらず、6巻の次回予告で「最終回」とあったのを見て「え、終わり!?まとまるのだろうか…」と不安でしたが、案の定…。
コミックスの売れ行きが悪かったからでしょうか?
近所の書店では、1巻発売当初は普通に積まれていたのですが、途中の巻あたりから発売日なのにどこにも入荷が無く、毎回探すのに大変苦労しました。
(自分の住んでいる地域だけかもしれませんが)
または、作者の方がご病気でやむを得ずとか…。
何か事情があって、構想はあるのに中途半端に終わるしかなかったのでは…と邪推してしまうような結末でした。
映画終了後の数年間も連載が続いただけでも満足すべきでしょうか…。
それでも、はられていた多くの伏線が気になって仕方ありません。
すごく面白い作品だったのに、本当に勿体ない。
しかし、それでも最後は爽やかで希望のある終わり方でした。
作品自体は星5つ。
もっとこの物語を読みたかった…!
味覚極楽 (中公文庫BIBLIO)
昭和初期の美食家に対する連続インタビュー記録。当時の世相が垣間見れるのもおもしろいが、現代の美食記が客観的視点と蘊蓄を大事にするのに対し、本書の持味はそれぞれの人間の思いであり、特に和食に対する記述は素晴らしく瑞々しさを感じさせる。
新選組三部作 新選組遺聞 (中公文庫)
倒幕派の清川八郎の策動から始まる新選組の顛末全般を描いた前作「始末記」に対して、「壬生の屯所」「池田屋事変」「近藤勇の最後」他にテーマを絞った生々しい取材記録。
池田屋事変の報告書ともいえる近藤勇の手紙が掲載され、大事をやりとげた後の興奮と、浪人集団という世間の評価を払拭できるかもしれない希望が伺えました。 近藤勇も、喜びと苦悩を繰り返す私達と同じ人間なのだと実感できます。
著者自身が「記憶(事実)に対して誤りがないとは言えない。」と書いてはいますが、十分に貴重な「哀しい歴史資料」です。
新選組物語―新選組三部作 (中公文庫)
隊士絶命記の中に吉村貫一郎の最期もかかれています。
新選組については、物語で読んだことはありましたが、
隊士本人や、周囲の人物からの聞き書きは、
やはり独特の迫力があります。
新選組始末記 (中公文庫)
同じ新選組の資料でも、これより先に「新選組100話」を読んでいたので、どうしてもそれと比べてしまった。
・生存者が存命している時に話を聞いている
・新選組本体以外の、新選組に関わった者の資料もある
・書簡など、文書の資料が多い
これが良い点にもなり、読みづらい点にもなると思う。
私は正直、新選組以外の人物にはあまり興味がないので、資料を読んでいてもあまり興味が引かれなかった。
文書も、当然当時の書き方のままで、訳文がないので、歴史物にあまり慣れていない私には読みづらかった。
故に、私には前述の「100話」の方が読みやすかったのでこの評価になったが、とにかく新選組のことを詳しく知りたい人、文書の資料まで読みたい人には、文句のない本だと思う。