チェンジH green (TSコミックス)
今回は表紙を塩野干支郎次さんが担当、龍炎狼牙さんと石田あきらさんが初参加、前回参加のたかみちさん、TALIさん、塩崎雄二さん、今村陽子さんが抜けて、夕凪薫さんが復活、吉富昭二さん、高内優向さんが前号Yellowに引き続登場、厦門潤さんは2号BLUEから、後は第1弾から連続掲載のメンバーです。完全単独読み切り物のおりもとみまなさんを除けば続き物ですが、各巻毎に落ちが付いている作品が多いです。
定義が新しいTSコミックと言う括りを敢えて越境しようとしている作家さんも多く、おしとやかな女装子を筋骨隆々な姿で描き創刊以来読者の忍耐力に挑み続ける六道神士さんを始め、いつもややこしい話を描くおりもとみまなさんなぞTS、一部TS、さらに魂の入れ替えを一話の中で全部やっており、龍炎狼牙さんは仮想世界での性別詐称物に挑むという有様ですが、困った事に皆面白いです。
TS物でも甘詰留太さんはテーマに夢精(!)を、各紙で引っ張りだこの塩野干支郎次さんはTS少女のカウンターテロ・ガンアクションコメディーを、吉富昭二さんはパンツすら見せない新鮮な寸止め感を、厦門潤は主人公の老人男性が性転換して若年時の自分のクローンに脳を移植された少女と生活する設定のSFを、女装物でも先に述べた六道さん以外でも春夏秋冬鈴さん、夕凪薫さん、佐野タカシさんが守秘義務と倒錯と陶酔にまみれた複雑な話をこれでもか、と提供されていて、当初感じた強いエロチックさ(それでもポン貴花田さん、佐野タカシさん、甘詰留太さん、石田あきらさん、おりもとみまなさんはかなりエロ度高し)より知的刺激を楽しむアンソロジーになって来た様な気も致します。続けて購入の方にはお薦めです。新規購入の方にもまだそれ程敷居は高くありませんが、TSジャンルに厳しい拘りが有る方は要注意です。
チェンジH red (TSコミックス)
今回は前巻よりほんのりお色気度がアップしています。
特に巻頭で一部カラーのポン貴花田さん、甘詰留太さん、吉富昭二さん、そしていつもは色気より笑いの六道神士さん作品に顕著です。
性転換や異性装を第二次性徴前後の少年達、特に幼馴染に絡ませたバカでエロながら胸を打つ作品から、仮想空間や未来のクローニング技術を題材としたSFまで、内容はバラエティに富んでおり、アンソロジーとしてもかなり高レベルな面白さです。
連作短編で世界観とキャラクターを継承しながらも殆どが一話読み切り形式なので初めて読まれる方も余り抵抗が無いと思います。
それにしてもおりもとみまなさん作品の性転換してもやる事が変わらない愛すべき愚かさと、本誌で連載デビューを果たしてもう直ぐ単行本も出る春夏秋冬鈴(ひととせりん)さんの風流なペンネームは素晴らしいですね。
新登場のマサオさん、センターオールカラーで連載開始の長月みそかさんの漫画も大いに読み応えが有ります。
読後感が良く美しい絵の作家さんが多いお薦めアンソロジーです。但しご家族やお友達の前で読むのは様子を見てからにしましょう。
チェンジH blue (TSコミックス)
TS~異性装オムニバス、二弾目。
TS物は13編中7編、異性装物が4、TSおよび異性装を論じる作品が1、作者本人が両性具有が1、と言う内訳です。
好評だった前作の明確な続編が13編中5編有り、その中では六道神士さんの「アカンプリス」が際立ってイケズで面白く、実は本オムニバスの趣旨からは外れた困った作品なのですが…。
美しく控えめなオールカラーコミックのたかみちさん、美少年のエア・オナニー描写が眩しい佐野タカシさん、性転換した美少年が送る受難の高校生活がベタだが素晴らしいポン貴花田さん、美しい女性用衣装をつけてオーディションに参加するめくるめく体験を繊細極まるペンで描いた夕凪 薫さん、リアルTS体験に背筋も伸びる新井 祥さんも引き続き好調。
本オムニバスの顔、甘詰留太さんの前作の設定を引き継いだ甘酸っぱい新作、TSっ子に神輿を担がせ、祭り&ふんどし好きには目がくらむばかりのおりもとみまなさん、戦隊ものとTSものを組み合わせた奇想と美しい絵が素晴らしい今村陽子さん、ヤングキングアワーズ掲載作のスピンオフで挑んだ塩野干支郎次さん、もっともらしい分析が素敵なゆうきゆう×ソウさん、TSした本人とその若年のクローンが複雑なSF的背景で同時存在する羽目になる厦門 潤 さん、そして新人の春夏秋冬 鈴さんという布陣です。
前作をお読みになって気に入った方、厳密なTS括りに拘らず、成年指定の直裁な表現はなくとも充分エロチックかつ面白いオムニバスをお探しの方にはお薦めです。
破妖の剣〈2〉白焔の罠 (コバルト文庫)
ラスと闇主のラブラブ(?)掛け合い漫才もグレードアップ!!
闇主の秘密が・・・?
そこに拾い物第2号のザハトも加わってますますヒートアップ!!
敵キャラも人気の高いのがこのシリーズならでわ。
カリスマ的?人気の白焔の妖主と問題大有りな紫紺の妖主も初登場!!
漆黒の魔性―破妖の剣〈1〉 (コバルト文庫)
やや文章がくどく、そのくせ戦闘シーンは結構薄いとはいえ、充分な吸引力がある。
これからの展開が楽しみだなぁと思わせつつ話自体は一冊でしっかり収まっている事には敬意を表したい。
シリーズ展開されている破妖の剣は全部読んでいるもののこれを読むたび原点回帰した気分になる。
ただ最新話を読んだ後にこれを読んだのはちょっと辛かった。