The Hermes Scarf: History & Mystique
スカーフの図柄はすべてカラー印刷で、これが1冊あればスカーフを集めなくてもいいくらいたくさん掲載されています。
伝統柄の他、2010年発行なので、新しいデザインのスカーフも多数掲載されており、エルメススカーフの柄=フランスの歴史を感じ取れるよう様々な角度から段落分けされています。
図柄がほとんどなので、英語が分からなくても見ていて楽しいです。
ちなみに正規店エルメス・ジャポンではこの倍の価格で販売されているのでドル安の今はかなりお得です。
カレ物語―エルメス・スカーフをとりまく人々 (中公文庫)
巻頭のピアニストのエルメスにかかる自慢話は多少鼻につくも、お抱えデザイナーやカレに携わるスタッフ等のカレ対する姿勢や思想がわかり、特にデザイナーは作品とともに10名以上も紹介されていて、自分の持っているカレを広げながら、これもこの人のデザインだったのかといろいろな思いをはせながら、読むことができ、非常に興味深い。無名のデザイナーが自らのデッサンを持込み、採用されている例が複数あるのが感心した。最近も新しい有能なデザイナーがいるので、今後、デザイナー別に、その作品であるカレのデザインの解説と作成にまつわる逸話を紹介する本があったら是非読みたい。
The Future Was F.a.b.: The Art of Mike Trim
ジェリーアンダーソンの番組、サンダーバード、キャプテンスカーレット、ジョー90と聞いてワクワクする人には絶対お勧めの画集です。全文英語ですが、カラーや白黒の大判の写真も多く、キャプションを読んでいるだけでもほとんど苦になりません。もちろん、本文も中学3年生程度の英語力でも辞書をたまに引く程度でざっくりと読みこなせます。
特にサンダーバードのメイキングの写真でTB3号の発射ランチの製作途中の写真(壁にF111とTB1の写真他が興味深い)やピーターラッグがTB2を操演しているカットは興味深い。このマイクトリムという人は特撮監督のデレクメディングスも手放しの褒め様で登場メカデザイン、模型の修理、製作、汚しと何でもこなせると大絶賛されている。
もちろん、メインのメカデザインもカラフルな原画が多数掲載されており、デレクメディングスの柔らかな曲線のスカイダイバーやサンダーバード2号、追跡戦闘車とは対照的にシャープで直線的なラインが特徴で、SIDやシャドーモービル、強力装甲車、スペクトラムヘリなどをデザインしている。サンダーバードからこのプロダクションに参加してスペース1999の一部まで数多くのゲストメカのデザインを担当している。
「UFO」でインターセプターの初期デザインはマイクトリムがデザインしたが、あまりにハードすぎてメディングスがデザインしなおしてあのデザインに決まったし、シャドージェットも初期デザインは採用されずに、XB70に似たデザインに変更されてしまったのは残念だった書かれている。この採用されなかった初期デザインも掲載されている。
この本を読むと一連のジェリアンダーソンのTVシリーズの未来的なカッコよい雰囲気はデレクメディングスのような巨人だけではなく、マイクトリムなど才能豊かな若手のスタッフたちが一緒に作り上げてきたのだということが理解できて認識を新たにさせられました。さすが、オリジナルな一次資料だけあってすばらしいの一言です。デレクメディングスの「21st century visions」や、未見のアランシューブロックの近著をあわせて購入されれば、値段も手ごろなのでかなり興味深いのではないでしょうか?