ウラBTTB
教授自身が出演した薬のCM曲1、「筑紫哲也のNEW23」テーマ曲2、映画「鉄道員」主題歌(オリジナルは娘の坂本美雨が歌う)3という話題の3曲をすべてソロ・ピアノで聴かせる。緩やかで、陰影のあるメロディを、間を大切にした演奏でひきたてる3。一方、1はCMで流れる哀愁をおびた旋律からアーティスティックに展開。2では素朴な味わいも。ピアノが鳴った瞬間から教授の独特の空気感が広がる。
ヒーリング・ベスト
オルゴールは本当に癒やされますね。 やわらかく響く可愛らしい音色を聴いていると、なんだか懐かしさと安らぎを感じたりします。 このCDの選曲は素晴らしいと思います。自分はsummer、世界の車窓から、放課後の音楽室が好きでしたので聴いてみたのですが、どの曲もほんといいです。有名なものが多いようなので聴いたことあるような曲も収録されていると思います。 お昼寝するときやリラックスしたいとき、また夜の就寝前にゆっくり聴いたりするのもオススメです。
ピアノ・ハート~フォー・ジ・アース
私は、近藤嘉宏さんがドイツから帰国してデビューして間もない頃に偶然目の前で演奏を聴く機会があり、それをきっかけに、その後、色々な演奏を聴くようになり、その卓越した技術と豊かな表現力、クラシック畑の俊英ピアニストでありながらクラシックの枠にとらわれない柔軟で自由な音楽性に、一気にファンになった。以来、敬愛する日本人ピアニストの一人だ。
このアルバムは、チャリティ盤ではないようだが「地球にやさしい音楽」に想いを込めて、このタイトルになったようだ(帯の記載による)。
ジャケットの雰囲気や曲名にも現れているが、音楽自体の印象としても、水の流れや海を想起させる曲が多い。クラシック演奏と映画・TV番組主題歌などのカバー・アルバムであるが、選曲が絶妙。ジョン・フィールドのノクターンなどはあまり一般には馴染みがないと思うが、この第5番は、このアルバムの印象、静寂な雰囲気にぴったりな名曲だと思い出させてくれる。そこからアンドレ・ギャニオンの「潮騒」、ジェームズ・ホーナーの「ザ・ポートレイト」への流れは、特に絶妙で、クラシックとポピュラー音楽との連続性、親和性を感じさせてくれる。歴史上の悲劇に取材した『タイタニック』や(伝説的ピアニストのジェリー・ロール・モートンが生きていた時代の)アメリカを舞台にした小説を映像化した『海の上のピアニスト』など、映画音楽の映画自体は、悲劇的な結末だったり道徳的難問も含んでいたりして、私にとっては考え込んでしまうような映画ばかりなのだが、音楽はそんな悲しみや人間の矛盾、この世の不条理をも包み込んで、静かに、優しく流れる。個人的にエリック・サティのジムノペディ第1番は普段は好きではないのだけれども、近藤さんの演奏でこの流れで出てくると、すんなり聴けてしまったりする。ニューヨーク・スタインウェイのクリアなピアノの音色も、このアルバムの雰囲気にぴったりで、とても癒される。
このような、クラシックとポピュラー音楽とを結ぶ作品というのは、現在「クラシカル・クロスオーバー」などと呼ばれて色々な試みがあるが、もっとあってもよいと思うし、今後もこのような作品が時々登場してくることを私は期待している。