12人の怒れる男/評決の行方 [DVD]
この作品は、私にとっての最高傑作でもあるので、今回のDVD化には本気でガッツポーズしました。ありがとう!フォックス!!勿論即予約ですよ!! フォンダ版は昔から名作と言われているが、私は、レモン版の方が好きだ。それにレモン版はもう少し評価されても良いと思う。 今回フォンダ版とレモン版(自前VHS!)の双方を見てみた。 かたや上映時間9?分 かたや11?分 台詞や設定も微妙に違う(レモン版が現代版に置き換えられている事を差し引いても、例えば陪審員3番の息子の年齢が違う意味等分からない)。 Wikipediaには、 「テレビドラマ版の原作者レジナルド・ローズが映画版でも脚本を担当。ただしこれはテレビドラマ版でカットされた部分が追加されたもの(フォンダ版)」 「オリジナルと同じ脚本でリメイクされた作品(レモン版)」 とある。 オリジナルがどうなのかが分からないので、これ以上は分からない。 ただはっきり言えるのは、フォンダ版とかレモン版とかの前に、これはレジナルド・ローズの名作であり傑作だという事だ。 その上でレモン版を推す理由は、先ずカメラ・ワークだ。 色んな意味で(ブレを含め)動きが多く、雑然としている感じがリアルに感じられる。特に15秒のシーンは秀逸! そして完全に違うクライマックスーー私がフォンダ版で解せない唯一の場面である。 あれ程固執する人間は、決して自分からは「落ちない」。現実に沢山の人を見てきて、そんな人間は見た事が無い。し、セルフ・カウンセリングが出来る人間ならそもそも固執には至らない。たかだか11人に見つめられた位でああなるだろうか?やはり、レモンの役割は大きい。 しかし、EDはフォンダ版の方が良かったなぁ。
12人の怒れる男 [DVD]
アメリカ版の被告はマイノリティの少年、日本版は若くて美しい女性、そして今回のロシア版の被告はロシアが独立運動を阻止して紛争を行ってきた宿敵チェチェンの少年。容疑はロシア人の元将校で少年の義父をナイフで刺し殺したというもの。例のごとく、12人の陪審員のうち、11人が有罪に入れる中、1人が無罪を主張、そこから次々と無罪が増えていく。陪審員一人ひとりの背景や、境遇の独白が目玉となる。
何十年たっても生活環境は全く改善されていないというロシア政府への批判がたっぷりこめられている展開がとってもおもしろい。そしてそれがアメリカ版のラストとの大きな違いになっている。予想を全くしていなかったラストの展開は、「もうアメリカのリメイクとは言わせない」というような、そんなこだわりが見られた。私はアメリカ版のラストも大好きなんだけど(あの場面が今でも忘れられない)。
最高の作品というには一歩足りないような感じだけど、十分見ごたえはあった。残念な点は、みんなかなり年配のおじさんばかりだったこと。確かにタイトルが「男」なんだけど、もう少し、広がりがほしかったなあ。「女」版を作ったらおもしろいかなあ・・・。
十二人の怒れる男 [DVD]
限定された物理空間で演劇の真髄を見せた名作。そこでは俳優陣の演技力がすべてであり、脚本の求心力と併せて一部の隙もない仕上がりになっている。映像の力に頼った昨今のハリウッド映画と異なり(しかし私はそれが悪いと言っているわけではない)、何度観ても飽きることがないばかりか、常に新しい発見がある。
それにしてもここでの12人は見事だ。主役はH・フォンダということになるのだろうが、他の11人も個性の表出という点では優劣関係が一切なく、俳優と役が完全に一致している、というか一致して見えるまでになっているのは脱帽するしかない。理詰めの作品だからということで本当に理詰めに観てゆくと、実はおかしなところも散在しているが、それも問題にならないのは、言ってみれば「水戸黄門」的な大団円があるからであろう。こういう形のカタルシスというのは、映像にばかり頼っていては決して達成できないものである。あるいは、男女の愛情云々の飽和気味のカタルシスとも違う。かといって当然水戸黄門とも違うのは言わずもがなであるが、観終わった後に訪れる爽快感は、やはり他の作品では得がたいものがある。
こういう作品を観ると、演劇の本当のチカラを感じずにはおれない。舞台俳優を目指す若人であれば、必見の一作であることは間違いないだろう。
十二人の怒れる男 (コレクターズ・エディション) [DVD]
わたしがテレビ録画したVHSを暗記するくらい見返したのがこの吹き替えバージョンです
ヘンリーフォンダが死去したときの追悼放送でした
DVDで再見できるのはうれしい
内容に関しては満点ですね
シドニー・ルメット監督の最高傑作は「狼たちの午後」こりゃすごいです
つづいてこの作品と「オリエント急行殺人事件」が並んで第二位(どちらもご覧になった方は、この並べ方で「にやり」とされるはず)
第3グループには「セルピコ」や「フェイルセイフ・未知への飛行」などタイトな傑作をあげておきたいです
DVD化されていない(VHSソフトはあった?)「プリンス・オブ・ザシティ」のリリースを熱烈に希望します
12人の優しい日本人 [DVD]
そぉ~っと忍ばせた数々の伏線が後半一気に繋がっていく仕掛けが
きっちりスクリーンで再現されてて知らず知らずに引き込まれます
そして何より人間そのものの面白さ
謙虚で実直誠実と思われたひとが実はとっても傲慢だったり
豊富な経験と高い見識を持った紳士が実はだだっこだったり
無気力なお人よしかと思えば土壇場でウルトラC的役割を果たす
こんな人間模様はひとが好きじゃないと作れないよなってつくづく・・
あ~面白かった!!