本書の副題「オハイオの田舎町についての一群の物語」のとおり,本書はアメリカの架空の田舎町ワインズバーグオハイオに暮らす人々を描いた連作短編集です。連作ですので,同じ登場人物が別の短編にも登場しますし,メインとなる人物ジョージ・ウィラード青年が町を離れるシーンで終わりますので,やはり前から順番に読んでいくのが良いでしょう。 新聞記者で町の人々に興味の目を向けるジョージ・ウィラード青年,その母で旅館を経営するものの生気が抜けてしまったエリザベス,ジョージに興味を示す女教師ケイト・スウィフト,そのケイトの部屋をのぞき見することで自らの勇気をためすハートマン牧師,奇妙な手の動きにつらい過去を持つウィング・ビドルボウム,神の御業を成し遂げることを計画するジェシィ・ベントリィ,その娘ルイーズは,息子が欲しかった父から愛されず,結婚後産んだ子デイヴィッドを愛することができない。一緒に暮らす祖父ジェシィに翻弄されるデイヴィッド。 その他たくさんの町の人々の一場面が描かれます。中には思わず笑ってしまうような「変人」や孤独で奇妙な癖をもつ人物など,読み進めていくうちに作品全体の面白みが増していく感じがします。 本書は,人間のもつ曖昧さのようなものが淡々と描かれていますが,その中に人生の深淵がちらりと見えます。すべての作品を読み終えた後,再度いくつかの作品を振り返って見たくなる魅力があります。 ファオークナーやヘミングウェイなどが多大な影響を受けたということもうなずけます。
ナショジオの心を揺さぶる大判写真は写真集としても、一級品です。加えて淡々と書かれた説明文。 アクセスが悪く、タイトル通り、一生に一度いけることができるかという場所を紹介しています。 カテゴリーを「伝説の風景」「謎の巨大遺構」「信仰の発祥地」「永遠の史跡」「日々の祈り」「神が宿る場所」「巡礼の道」「儀式と祝祭」「忘れえぬ人々」「心をみつめて」とし、500の場所を厳選しています。紹介される情報が短いので、「ああ、もっと見てみたい」という気持ちになりました。
ちなみに日本からは、以下が選ばれています。 永平寺 国東半島の霊場 高徳院の阿弥陀如来像 高野山金剛峯寺 三社祭 大仙院の枯山水 秩父夜祭 東大寺の蘆舎那仏像 比叡山延暦寺 富士山 竜安寺石庭 鹿苑寺金閣寺 伊勢神宮 厳島神社 大仙稜古墳 広島原爆記念館
「想像の共同体」読後から数年経ち、中身の記憶があやふやになっていた自分にとって、ちょうどよい復習本でした。「想像の共同体、あとがき別冊版」と位置づけできるでしょうか。ベネディクト自身の生い立ちから東南アジア研究の取り組みにいたった経緯、内容の自己批判から最近のナショナリズム研究報告までを自身の言葉で語っており、学者としての真摯な取り組みとネーションを歴史的主体とせずに世界を捉えようとする観点には共感を得ずにいられません。
後半は、梅村氏自身の言葉で「想像の共同体」をわかりやすく解説しています。個人的には、そのシンプルな要約に少々肩透かしをくらいましたが、詳しくは「想像の共同体」を直にあたれ、読み返せということでしょう。しかし、できるだけわかりやすい言葉を選んで、日常生活の何気ない疑問を出発点として論を広げていく解説には、好感がもてました。こちらを先読みするのもありだと思います。
題には「グローバリゼーションを語る」とありますが、ベネディクト自身は、その歴史を19世紀後半にまでさかのぼり、電信や海上交通路などの発達による人的ネットワークの拡大から、その当時に世界各地で起きた革命や「テロリズム」の発生の連鎖を「初期グローバリズム」の特徴として説明しています。
ナショナリズム発生の起源の解説だけでなく、質疑応答での「アメリカが余りに新しいものに執着するので、私はその反対をいこうとしました。」というベネディクトの率直な人柄も実感できるお勧めできる一冊です。
良い本です。本書では、ドレイン電流Idの飽和について本質に近い説明があります。これだけでも、買う価値があります。
これまでの教科書は、ドレイン電流Idの飽和をピンチオフなどで説明していました。しかし、微細化して電子がほとんど散乱されずにバリスティック(弾道的)に流れてもIdは飽和します。教科書としては初めてIdの飽和を反転層のソース端での電子の電荷Qch(0)とその速度v(0)で説明しています。
他の説明も図を多く使い、物理的イメージを持ち易くなっています。室温の真性キャリア密度niについても、これまでの1.45E10 cm-3ではなく、より正しい値である1.08E10 cm-3が使われていて好感が持てます。
「あっ、この曲聴いたことがある」 このCDを聴かれて、きっとあなたはそう思われるでしょう。 学生の頃、音楽の時間で、運動会で、そしてテレビCMなどで、 ルロイ・アンダーソンの曲は本当に沢山使われています。 楽しく明るいよき時代のアメリカのエッセンスが沢山詰まった一枚です。 有名な曲ばかりですので、ルロイやフィードラーの入門編として 大人だけでなく、子供にもおすすめの一枚だと思います。
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