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謎解き太陽の塔 (幻冬舎新書)
大阪の万博公園にドカンとある、太陽の塔。
いくつもの顔を持ち、たんなる巨大な像というだけではなく、いろいろな意味を持たされている。
そんな視点から太陽の塔→明日の神話を通じて岡本太郎の描きたかったモノがなんであったかを
考察しています。岡本太郎の若かりし頃、欧州で参加していた思想上の秘密結社から、縄文・千手観音そしてキリストと
最後にたどり着いたキリストという回答は突飛な感触も受けますが、「死と復活(再生)」というイメージは
確かに太陽の塔にもあるように思えるのでわりと納得してしまいました。
岡本太郎 爆発大全
有名な「太陽の塔」などの建築物をつらつら眺めていると、芸術は確かに爆発だと思わされる。何の爆発? もちろん己の爆発に決まっているさ。
社会と大衆の面前で己を爆発させるためには、知情意の恐るべき集中と膨大な量の薪が必要だったが、太郎にとっては、月夜の闇に咲く隠花植物の祭典を孜々として秘かに準備することが、ある晴れた日の朝、明るい太陽に向かって顕花植物を全面開花させる大魔術への秘法だった。
赤や青や黄色や紫の原色が氾濫する彼の油絵を見よ。そこに繰り広げられているのは恐るべきニヒリズムの絶望的な吐露。すべての一瞬を、生きて、生きて、生きてあらんこと熱望したはずの芸術家の、死んで、死んで、死に沈潜せんことだけを希んでいるかのような、完璧な無為と放棄と退嬰の世界。
この青の死の負の絵画こそが、大地に屹立する深紅の正旗を逆説的に支援していた。
大いなる虚無から大いなる肯定、父母未生以前の自我から宇宙的な膨張拡大、先住民の素朴から全知全能の見者への終わりなき往還が、彼の尽きることのない泉のようなアヴァンギャルドを湧出する。
そして岡本太郎は、生涯に亘ってこれが実践にシシフォスのように挺身し、己の火祭りに己が松明を投じることによって、文字通りに燃え尽きたのだった。
彼の全作品を採録したこの膨大な一巻には、死せる芸術家の偉大な魂魄が宿っているように思われる。
太郎忌や飛んで火に入る冬の虫 蝶人
花よりも花の如く 6 (花とゆめCOMICS)
若手能楽者、憲人の日常生活。
養子に出された弟・西門と、自分。
どちらを養子に出すか迷っていたと聞き、動揺する憲人。
二人の迷いを描いた「仄暗き夢の底より」と
憲人のテレビ出演のオファーと、
能楽の先輩・芳年の妹との出会いのお話「石に願いを」が
収録されています。
新しい世界の入り口に立って、どきどきする憲人の気持ちが
伝染するような一冊でした。
主な登場人物の家系図、能楽用語表もついています。
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