パゾリーニ・コレクション ソドムの市 (オリジナル全長版) [DVD]
原題の「SALO」とは、1943年、ドイツによって救出されたムッソリーニがイタリア北部に設立した傀儡政権・サロ共和国のこと。マルキ・ド・サドの原作では中世の人里離れた城館だった舞台を、このサロ共和国に移しています。第二次世界大戦末期、敗戦必至のサロ共和国で、権力者達は前々から目を付けていた美少年と美少女達(自分達の息子や娘も含まれている!)を私兵を使って狩り集め、一つの館に立て籠もります。そしてそこで繰り広げられる暴行・拷問・スカトロ行為が全く遠慮無く、淡々と描写されていきます。少年少女達の人権は奪われ、ひたすら痛めつけられ、抵抗する者・逃げようとする者は容赦なく処分されていきます。
原作は未完のまま「残虐行為展覧会」と化していましたが、パゾリーニ監督はそれを見事に露悪的に、ファシストと抑圧される民衆、搾取する者と搾取される者の縮図を描いた映画に昇華させました。いつの時代も繰り返されるこの構図は、立場が入れ替わる事はあっても、構造自体はなくなりません。そしてそれを表す為に、この映画の無惨で救いのない結末が用意されているのでしょう。いうなれば、本作に嫌悪感を感じれば感じる程、この映画は成功しているともいえます。
この後パゾリーニ監督は17才の少年に撲殺され、本作が遺作となってしまうのですが、まるでそれを予感していたかのように永遠の苦痛、死によってしか訪れない解放が感じられる作品です。
ちなみに以前日本でビデオ/LD化された時はマスターの状態がかなり悪かったので、待望のDVD化と言えるでしょう。
ホラー番長 スペシャルBOX [DVD]
ユーロスペースで上映された企画「ホラー番長」の4作品を集めたボックス。
単品のソフトが4タイトル収められ、さらに特典ディスクが1枚追加されたセットがこの価格なら、かなりの割安でお得感が高い。
特典ディスクの内容は、ユーロスペースでの監督&女優のトークショー(『稀人』と『ソドムの市』)、監督&キャストの対談(『月猫に蜜の弾丸』と『運命人間』)、そして『稀人』『ソドムの市』のメイキングが少々と「ホラー番長」の予告編。
特典ディスクの内容は非常に物足りない。
ボックスに収められた単独ディスクは4枚とも片面一層で、それぞれの映像特典内容は初日舞台挨拶だけだったのだから、まだまだDVDソフトとしては容量が余っている。つまりこの特典ディスクの映像素材は、各単品に振り分けても問題ない。そういう意味ではメーカー側の商魂にはいやらしさを感じるが……。
まぁ、単品でちょびちょび買うぐらいなら、これ1箱買ってしまった方が安く上がるのは確かである。値段的にサービスしているのだから高望みしても仕方ないが、同梱特典にブックレット(解説書)は欲しかったところだ。
(★ホラー番長4作品の単品商品に関しては個別にレビューを書いているので、そちらを参照して下さい)
京(みやこ)
インディーズの頃から、和風を意識した
ジャパネスクロックな曲を送り出してきただけあって、
『京』もそのようになっています。
Kagrra,らしいのですが、今回は平安を意識した選曲で、
『徒然謌』は得に聞きやすいメロディアスな曲になっています。
『源平~』は、「平安」というテーマを感じやすいでしょう。デビューシングル「愁」の京MIXも入っており、
ジャケットもいつもながらイラストレーターが手がており
綺麗な仕上がりとなっているので、ダビングで終わらず
手元に欲しい一品だと思います。