実質、これはそういう本です。実際1ページストーリーダイジェストがあるのみで、紹介話的なあらすじの話みたいなものすらこの巻にはありません。正しくこれは掲載雑誌を「コミック・ゼノン」へと移し、そしてまた始まったりょうと香瑩の物語――「エンジェル・ハート」のその続編です。
そんなまた時を刻み始めた物語は、愛し合っているのになかなか上手くいかない男女のその仲をとりもとうというそんな話が2つ。香瑩の突っ走りぶりと、一歩引いた大人の貫禄と実感の伴ったりょうの対応の差が際立つ話だったと思います。好きなんだから共にいればいい、率直にそう思う香瑩に対し男女の仲はそう単純なことではない、そう思うりょうというこのコンビはホントいいバランスですよね。
色々出版界も厳しい中、面白い物語が掲載雑誌が変わったにしろこうしてまた続いてくれたのは本当に嬉しいことです。北条先生のモチベーションも文を読む限り高いようですし、「1stシーズン」同様「2ndシーズン」も期待出来そうです!
ご存知の通り「週刊コミックバンチ」が休刊し、よって掲載作品もモロにその余波を受けることに……。それはこの「エンジェル・ハート」も例外ではなく、しかし人気もあるこの作品がそうそうなくなる筈もなし。「月刊コミックゼノン」にて、この巻の続きが連載決定です。
今巻は香瑩へと割とマジな感じで愛を捧げる佐久間が、全てをもっていっていった感じ。デキる男を地で行くこの佐久間、なかなかの好男子です。"アノ"りょうでさえ、当人達がいいならまあ−−的な態度、その器が窺えますね。
もっとも当の香瑩の方は、自身の心臓移植による限られた寿命のこともあり、最初からお断りモード。その香瑩の心のありようと佐久間の事情とを絡めての、「ギフト」の話がとても良かったです。こういう考え方、生き方もあるのだと読んでいてとても感銘を受けました。
今回の掲載誌にまつわるゴタゴタに、どうも北条先生はあまり関わりたくないご様子。まあ、漫画家さんはいい作品を描くことだけに集中していたいですよね、そりゃ……。どうか「月刊コミックゼノン」にと移られても、これまでと変わらない作品をと読者としても願ってやみません。2ndシーズン、心待ちにしております!
3巻では物語で出てくる 香の残された携帯の伝言メッセージが聞けるという 企画を行っています。 あまりない企画で面白いです。
Season1の杏里さんの曲がすごいヒットで、Season2のOP&EDは常に比較されがちですが、私はSeason2の刀根さんのデリンジャーの方が、キャッツのイメージに近く、スピード感があって気に入っています。他のBGMも当時のシーンが思い出され、いいですね。
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