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呼吸入門 著者の数多くの著書のひとつにすぎないかと思っていましたが、実は息について意識的に考え始めて20年以上と知り驚きました。

「息」は教育の根源であり、日本文化の核心であり、人間が生きることの根幹であるとのこと。

呼吸法については、かなり研究をされたようです。その結果、著者は「3・2・15」という呼吸法を説きます。3秒吸って、2秒溜め、15秒かけて吐き出すということです。

これは、著者が最も重視する型を満たすものとのことです。つまり、『誰でもその場で教えられ、誰が教えても同じようにでき、誰がやっても同じ効果が得られる』というものです。

いくら良い方法でも、上記の条件を満たすものでなければ、広く人に教え伝えていくことはできない、という著者の思いが込められています。

短い時間で読めますが、内容は示唆に富み、あらゆる分野への造詣を感じさせる内容です。安易なハウツー本ではなく、しっかりとしたポリシーのもとに書かれています。著者の多くの著書の土台になっているように思えます。是非お読み頂きたい一冊です。


江田島海軍兵学校 究極の人間教育 戦後、海軍兵学校の卒業生が江田島で過ごした兵学校時代を回想した書物は沢山ありますが、本書が他と異なり興味深かった点を2点ほど挙げたいと思います。

1つ目ですが、著者の徳川宗英さんは大変ユニークなバックグラウンドをお持ちであることです。
徳川さんの生い立ちを簡単にまとめますと、1929年英国ロンドンに生まれる。田安徳川家第十一代当主。
兵学校解散後、学習院を経て慶応義塾大学工学部卒業。石川島重工業に入社、1995年退職。
つまり、徳川家の血を引く本物のサムライであるという事です。
「正真正銘の武士」が見た海軍兵学校が、大変わかりやすい言葉で書かれています。

2つ目は、最後の兵学校生徒(第77期)であったため、卒業はおろか、戦争にも行っていないという点です。
兵学校に入学後わずか4カ月余りで終戦を迎えたため、江田島での教育や生活にあまり否定的ではなく、当時の戦況なども含め、かなり中立的な見地から回想している点です。作品の全般を通して、著者にとって、江田島は良い想い出の方が多かったのだなと感じます。
暗い話題が続く内容だと、「あぁ、やっぱりそうだったのか。。。」と気持ちも沈みますが、そういった意味では本書の場合は、江田島教育の現代でも見習うべき優れた所にスポットを当てているため、こういう人たち(教育)が日本の戦後復興に一役買ったのだなと感心しました。

読みやすい内容で、数ある海軍兵学校の書物のなかでも、特に秀作だと思います。

江田島海軍兵学校―写真で綴る江田島教育史 (別冊歴史読本 33) 理想とし、憧れの存在であった海軍兵学校は歴史的にどう評価して良いのか困る。その教育は特筆されるものだと思うが、太平洋戦争は何故避けられなかったのか?旧海軍幹部による海軍大反省会でも結論が出なかった様に永遠のテーマであろう。
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