さすがアエラ記者のルポだけあって、臨場感も十分だし、 どの部分も面白かったです。
とくに第1部、悪夢の1週間は、原発事故直後の現場の 話や官邸の刻々と悪化する事態への対応など、スリル満点 のドラマのようでした。
こんなに知らないことがあることに驚く。こんなに、国 民を欺いてきた政府にげんなりするが、それ以上に東電 の馬鹿さ加減に驚くばかりでした。
小出先生の優れた専門性と
「ミツバチの羽音と地球の回転」の
鎌仲ひとみ監督の言葉と投げかけがマッチし、
とても深刻な現状を前向きにとらえることができる本です。
原発問題を歴史を含め理解したい人、
悲観や絶望から立ち直りたい人に読んでほしいです。
山本太郎はフツーの役者ではないとは以前からうすうす感じてはいた。演技はそれほど上手くない(失礼)のに、なぜか印象に残ってしまう存在感。生い立ちから母親の教育までも盛り込まれたこの本を読んで、役者の演技ではなく人間性が存在感を作っていたことがわかった。
私は彼が原発反対運動をして芸能界に干されたという記事を読んでからテレビ・新聞以外から情報を集め始めた。私も母として汚染地域に子どもを住まわせるべきじゃないし、瓦礫(放射能だけでなく様々な有害物質を含む)や汚染食品を日本中に拡散させるべきじゃないし、何より全ての原発は廃炉にすべきだと思う。なかなか太郎さんのように行動に移せないのが自分自身歯がゆいが。
いろいろな誹謗中傷のある中、仕事も激減する中でも、自分の信念を貫く姿には共感を覚える。「自分が生きたいから、他の人にも生きていて欲しいから」という素朴な動機が清清しい。以前、新撰組の原田左之助を演じたことがあったが、これからも「誠」を貫いて欲しい。
偏見なく素直に読んで欲しい一冊です。
3月11日の東日本大震災は、事の始まりでした。東電、政府、メデイアは事実隠しにやっきとなりました。この日本は世界一放射能汚染の酷い国になりました。その事実を隠す政府、知らなかったと言う東電の無知な社員、そして一番の罪は日本人を騙してモルモットにした東電、政府です。本当に恥ずかしい国に成り下がりました。3月からインターネット(外国サイト)での情報集めは大変でした。コントロールされていたと分かったのは、随分後になりました。NHKをはじめ、民放に至るまで、全て情報隠しやYou tubeの画像カット等、随分汚い事をやっていたのです。 自分の身は自分で守らなければなりません。正しい情報は過去から学ぶ事でした。この本は分かりやすいのです。事実に基ずいていますから、信頼に値すると思います。
「現代萌衛星図鑑」と同じく、最初は表紙絵を見て少し敬遠してました。 レビューのタイトルどおりの要素が揃ってるから、多分、かなりの確率でネタっぽいのかな…と思っていました。 購入して、妻との待ち合わせまでの時間をつぶすために喫茶店に入り…ほんの数ページで、予断は見事に裏切られました。 そして、一気に読み切りました。何度も何度も目を拭いながら。 広いラウンジのような喫茶店の、端っこの席でよかったと心から思いました。
「はやぶささん」の「長姉」にあたる「おおすみ」。 志半ばで「夭折」したすぐ上の姉の「のぞみ」。 素晴らしい成果を遺して月に「帰って」いった「かぐや」。 東日本大震災初め数々の災害を見守り続けた「だいち」。 そして、「はやぶさ」と入れ替わるように宇宙に旅立った「あかつき」「イカロス」。 それらの衛星、探査機を通じて、ISAS〜JAXAに至る日本の宇宙開発の流れがきちんと俯瞰されています。
未曾有の震災の影響を受け、危機に瀕している日本の宇宙開発。 今を乗り切るのも大切ですが、五十年百年先の日本のあり方も考えるべきです。 「いつの世もあたらしいものが理解してもらえるのはずっと後 だからといって止まれない 人間がごはんを食べなければ死んでしまうように 技術も研究をやめれば消えてしまう」(本書より) 政治家や官僚の方々にも読んでいただきたい。 国の舵を取る彼等に対するプレゼン資料としても使えるほどの正しい情報と熱情がこの本にはあります。
「擬人化」と言いますが、もし「はやぶさ」さん達が「魂」を持っていたら、こんな風に考えたんじゃないかなと素直に思えました。 作者の構成力の凄さに脱帽です。
「ミネルバ」と「はやぶさ」の別れ。 「はやぶさ」の二度目のタッチダウン。 燃え尽きる運命しか残されていない「はやぶさ」に対するスタッフの複雑な思い。 設計寿命をはるかに越えて震災の被害状況の観測にあたった「だいち」。 そして、多くの人にとって一生忘れることのできないであろう、「はやぶさ」との別れの瞬間。
冷めたコーヒーをテーブルに置いたまま、喫茶店の端っこの席で声を殺して泣きました。
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