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芥川賞作家・古井由吉氏座談会11/16
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古井由吉自撰作品 1 杳子・妻隠/行隠れ/聖 (古井由吉自撰作品【全8巻】)

古井由吉氏の創作活動の早い時期、1971年から1976年にかけて発表された四篇を収めた、自撰作品集の第一巻です。
私たちは知らず識らず多元論、二元論に立脚して境界を措定し、自らの在る側を内と定めることによって、日々の生の安寧を得ているようです。沈黙や無為が人に不安の念を起させるのは、それらによって境界が覚束なくなり、自身の存在の輪郭が脅かされるからかもしれません。世に溢れる数多の文芸作品は、境界を堅固なものとみなし、「私」の絶えざる再生産によって、読者に安逸を提供する役を担っているとも言えるでしょう。
古井氏の作品においては、境界は生を区切るものとしてでなく、そこにこそ生の根源が現われる境域として描かれています。自己と他者、正気と病気、女と男、家族の内外、俗と聖、生と死、全ての境界を挟んで二者が相克し、緊張し、緊張の解けぬまま浸透し、滲み、淡くなり、そこから生の源泉と呼び得るものが滴ってきます。境界の緊張に身を置いているのがいつも女性なのは、懐胎に極まるその性の危うさと強さのゆえでしょうか。『杳子』において杳子が発する言葉は痛切です。「あたしはいつも境目にいて、薄い膜みたいなの。薄い膜みたいに顫えて、それで生きていることを感じてるの」。境界における生の悲痛を知りながら、そこでこそ得られる生の豊穣のために、彼女たちはそこに留まり続けるのでしょう。
近年の作品では、息を凝らすような緊張した文体が用いられていますが、これらの初期の作品はいわゆる小説的な簡潔な文体で語られています。また、語られないところに語らせようとしているかのような近年と異なり、境界という厄介な対象を直截に言葉で描こうとしており、比較的読みやすい作品になっています。
心象や形象で隠蔽された生の根源の揺動を、小説によってのみ可能な形で体験したいとお考えの方々には、ぜひ繙いていただきたい作品集です。



漱石の漢詩を読む

追記 2009年2月6日

ありきたりのレビューじゃ面白くないかなぁと思って、
ちょっと最近の文章っぽい書き方でレビューしてみました。
古井由吉氏ほどの作家なら、文学的レビューは誰かがしてくれると思ってます。

氏の作品の中では、
非常に読みやすいので
中高生くらいが読むと良いと思います。



2008年12月25日に書いた分、ここから。

今、日本で唯一の、強烈な作家の一人じゃないかな。

唯一の内の一人、とはおかしな言葉かもしれないけれど、
そう言ってしまったほうが、古井氏を紹介するにふさわしい。

数と数、1と1がイコールでないことを感じる時代。

古井由吉の何が嬉しいかって言うと、最近では、
年に1〜2冊のペースで本を出してくれることと、

多かれ少なかれ世相、あるいは世界情勢に対して、
思わぬ方向からの射撃をしていることを挙げられます。

時間的な距離を、
遠くから近くへ一瞬に届く弾丸のような文章に、ハッとします。

文章家としての社会的責任を負いつつも、
自身が楽しめる素材を、繊細かつ大胆に追求する軌跡。

今、日本で、ここまでの作家が他にいるのか?
と言われると、いない、という意味では、唯一の商業作家。

あるいは、別のところでは
活字離れと言われて久しいが、

インターネットでは、活字での、
コミュニケーションが最も力を持つ時代。

唯一の一人があふれる時代。

次代のコミュニケーションと、
漱石の漢詩を結びつける一冊です。

日本語の表現力が内包する複合的な発想を紐解く一冊だと思いました。



野川 (講談社文庫)

『忿翁』から『辻』への途次、2002年から2003年にかけて書き継がれた長篇作品です。
古井由吉氏の誠実かつ果敢な試みは、自我などの措定因に束縛されたきりの生について、その中心(自我)、境界(自他の、生死の、など)を揺すり、生の新たな相への経験を導いてきました。本作品でもその試みは生きられており、読む者は自身の生から遠くへと誘われます。冒頭近くで引用されたイスラム思想家の誨えのなかの、いくつかの言葉がその表徴となるかもしれません。曰く、虚無、滅却、消失への欲求、非在、絶対無条件の断念、何ひとつ無き境、万物の一体、脱・生成。衆生界に生きる者たちが聞けば、恐懼に俯くか冷笑に逸らすかして、いずれにせよ出立に身を整えるとまでは行かないところでしょう。しかし、本作品に描かれる生は、自我に措定された生の際における、出立の身繕いをしようかしまいかという境での際どい佇まいです。
60代に入った語り手と旧友二人を巡り、彼らの折々の行いと思いが深々と、晦渋の影も見せない文体で語られていきます。彼らに共通の思いは、済んだ生が背後に置き遺されたところで、済んだ生の躁狂が風に乗って吹き戻ってくるかもしれぬ、危うい静寂に身を置いているということです。その先に思いを致すと、老境にあることもあってか、死という言葉が思いのなかへ浮かび上がってきます。しかし、度々述べられる死への思いは、安易な死への逃避や憧憬ということではなく、此岸の生の窮まったところの先に思われています。この先の生のイメージは、机の上の野よりもまだひろく、風に靡く草原、との憧憬に表象されています。
この静寂に浸された現在がどのように移ろっていくのかは、遺されたはずの躁狂が風に乗って吹き戻ってくるのか、現在の静寂さえも躁がしかったと思えるほどの静寂が満ちるのか、次作『辻』以降で語られることになるのでしょう。またしても生の新たな体験として。



どうせなにもみえない―諏訪敦絵画作品集

若手注目画家、諏訪敦氏の作品集です。
写実絵画というのは美術の中でも、俗な言い方ですが《判りやすい》分野ですから、それほど絵画に興味が無い方でも、諏訪氏の描く絵には入り込みやすいのではないでしょうか。
しかし一方で
写実画というのは(特に諏訪氏の作品には)これ程までに冷徹で、無慈悲で、容赦ない描写に、いささか気後れしてしまう感覚を同時に抱く一冊かもしれません。
この作品集を見て感じたのは諏訪氏にとって絵を描くという行為は《現実・リアルの忠実な記録》を表現しているでは?という事です。
特に自身の実父の病床に臥す姿を描いた作品や、今際の際を描いた作品には、美術という価値観には不釣合いな(ある意味対極な)程のリアリティを追求しているのが感じ取れます。
数年前、某美術専門誌での山下裕二氏(美術史家)との対談のなかで、諏訪氏自身この《写実画家》と呼ばれる事に居心地の悪さを感じている事をうかがわせる発言をされていますが、それは「もう既にそんな事からは突き抜けたトコロに居る」という自負の表れなのかもしれません。
この作品集のタイトルの「どうせなにもみえない」とは諏訪氏自身がそのジレンマを吐露した本音なのかも・・・・
面白い試みだったのは
同業でもあり、こちらも注目される日本画家、松井冬子氏をモデルにした作品。
全く作風が違うにもかかわらず、どこか不思議と松井氏自身の作品を彷彿とさせるその絵は、他の諏訪作品と比較しても異質に見えます。

超絶技巧絵師、諏訪敦に見えているモノは、我々には一生見えない、あるいは気づかないモノでしょう。
しかし、我々は諏訪氏の作品を通してそれを知ることができる・・・・・
この作品集はそんな役割を示してくれているのかもしれません。



人生の色気

 思い出したのは吉本隆明さんが語り下ろしでしか本を出せなくなってからの『僕なら言うぞ!』『13歳は二度あるか』『よせやぃ。』などの本。それまでの読者から大きくかけ離れた層に、あえてイメージを壊して、けっこう下世話に語りかけている点が似ているかな、と。

 古井さんが手取りの月給が10万円に届いていない時代の大学教師を辞めて書いた第一作は240枚の『杳子』ですが、当時の文芸雑誌の原稿料は600円から1000円なので、当分の計算は立った、なんていうあたりから語り始めます。当時、「自己解体」をスローガンに学園紛争に熱中している学生たちを、古井さんは《目に見えない何かに対するツケのようなものを支払っている風に見えました》(p.23)と書いていますが、それが可能だったのは経済成長を当たり前だと考えていたからだ、と。そして《経済は人の社会を外部から根本的に変えてしまい、どう変わったのかも気づきにくい》とも。

 そんな話から、《不祝儀の場の年寄りの振舞いに、男の色気は出るもんなんです》《喪服を着て、お焼香をして、挨拶して、お清めをして帰ってくるだけのことが、いまの男は、なかなかサマにならない》(p.44)なんあたりに飛んで、さらに男に色気がないから、いまの女性の化粧は他人を拒絶するような印象を受ける、というところまでいきます。

 《人間には、破壊の欲望があるもんなんです。すべてが壊された時、人は解放される。人はそれぞれ、過去にろくなことを抱え込んでいないでしょう》(p.61)なんてあたりもいいな。



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