1861年、回転弾倉式機関銃がガトリング大佐によって発明。1874年、コルト拳銃にヒントを得て、連続写真が撮影可能なレボルバー式写真機が発明される。通称、写真銃。誰もが望遠レンズ付きカメラを持ったとき、それが武器に似ていると思ったことはあるだろう。このいびつな機械に象徴されるように、映画技術の発展とはすなわち戦争テクノロジーの進歩と背中合わせであったことを、戦争の中の映画、映画の中の戦争を反復しながら見事に浮き彫りにする。ヴィリリオが切り拓いたこの地平では、もはや哲学とテクノロジー史の境界はなくなっている。
過去にない、切り口で作者が昨年の東関東大震災で自社の部品調達に奔走する場面からスタート。
単に物流概念を広げるだけではない。過去の歴史を辿って、例えば・・・・第二次世界大戦の日本とアメリカの
後方支援体制の比較、各パーツの考え方、ユニット交換、ボルト1個でも・・・・
作者は、軍事戦略の評論家でもあるようだが、サラリーマンでもある。愛社精神が所々に滲み出ていて本音も
ポロリ。 なんでも、早稲田大学のホルン科卒業だそうだ。今でも演奏しているらしいが、「備えよ!!」と
サラリーマンとホルン演奏と・・・・・興味ある人物である。
一般の教育機関において、本格的な軍事学を講義するところはそう見つからない。しかしながら国際情勢を正確に判断する場合には、軍事の知識は不可欠であろう。本書は軍事を一般理論ならびに歴史的に詳述すると同時に、化学兵器一覧表なども掲載してあり、入門書としても読み応えは十分にあると感じた。また本書が挙げている参考文献も良質なものが多いので、そこから新たに学問を積むこともできよう。軍事に興味がないと退屈であろうが、政治学や国際政治学、国際関係学等を専攻している学生にとって、読んで損はないと思う。
ここでの評価が高いので読んでみましたが、たしかに素晴らしい。
個々の戦いについて、戦況の変化に応じて、複数の見取り図があるという親切さ。
正直、それでも門外漢(薄い好奇心だけ)には結構しんどかったですが、理解しやすさは、本というメディアはこれが限界でしょう。
対象の戦争映画とかを観ながら読むといいかも。
不確定要素が多いせいか、「桶狭間の戦い」なんかは取り上げられてません。
個人的には「ガリポリの戦い」「ゲティスバーグの戦い」があったのがうれしかったです。
古典的名著の復活もさることながら、この本が中央公論新社から発売された最大のポイントは巻末に付されている石津朋之氏の解説論文である。翻訳の内容そのものは原書房から出版されていたものとまったく変わっておらず、おそらく誤訳であろう文章も散見される。だが石津氏の解説論文はその誤訳を訂正したうえクレフェルトの主張を簡潔に整理、それに加えてクレフェルトのその他の著作を総合して「マーチン・ファン・クレフェルトとその戦争観」という非常に読み応えのある解説を行っている。新書にこの値段は少々高いと思うが、石津氏のこの解説論文だけでもこの値段を払う価値がある。絶対おすすめ、一押しの軍事関連本である。
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