2007年に発売された「クライマックス ドラマティック・ソングス」の続編。
今回は90年代の代表曲集、という体裁をとっているものの前作収録漏れになったヒット曲をフォローする性格が強い。
全32曲、時代を象徴し後世に伝えていくべき名曲だらけ。当時を体感した世代はもちろん若い世代も十分楽しめる内容になっている。
…しかしだ。どうにも納得できないことがある。
小田和正「ラブ・ストーリーは突然に」
佐野元春「約束の橋」
大滝詠一「幸せな結末」
これら3曲は前作に収録済みのはずだ。購入者の多くを占めるであろうリピート層に二度買いさせるつもりなのだろうか?
あえてこの3曲を再録せずとも90年代には名曲が星の数ほどあるだろうに。
良心的な価格設定だが配慮の足りなさで星-2。
すうちゃんの体はいつみても 最高ですね、むりやりやらせてそして おもいっきり、ださせてくふぁさい
著者は、1989年20歳の時にオウム真理教に入り、地下鉄サリン事件の後、自分の信じるオウムの幻影が、外部から得られる情報により少しずつ崩れていく中で、2000年上祐の出所後、新体制のアレフへと移り、2007年に上祐派とともにアレフを脱退した。
オウムを脱退した人の書いた本やインタビュー本を読むと、一連のオウム事件に直接関わっていない一般の信者は、頭が良くて心のやさしい人という印象を受けるが、この本は、そんな人たちがどうして無差別殺人を許すような教団に入ってしまったのかという疑問へのひとつの答えを示してくれるように思う。
本書は四つの章からなる。
第1章は、著者が生まれてからオウムに入るまで、霊的経験や自分の周りの人たちとの違和感、強い感受性をもてあましながらの学生時代のこと、夢と現実のシンクロニティが麻原を救済者とみなしてしまった悲劇に至るまでの様子が正直に書かれている。
第2章、出家からサリン事件まで。麻原を絶対視する信者たちが、修行という名の下に理性的な判断力を失っていく様子、救済という目的が、組織の中での出世にすりかわっていく様子などが興味深い。
第3章、サリン事件後、著者が他のリンチ事件に関わったとして逮捕され、外部からオウムの別の姿が明らかになっていく過程で、オウムを否定する気持ちと、オウムの教えにすがりつきたいという気持ちの、心の葛藤が始まる。
第4章は、上祐の出所後、更にオウムの真実の姿を知り、再び夢と現実のシンクロニティで今度は上祐に救済を委ねる日々となるが、自然とのふれあいを通じて、やっとオウムから脱却する様子が描かれている。
エピローグでは、オウム時代の総括の様子、啓示的であった夢が自分の願望の投影であったこと、内観という作業を通して、本当の自分の姿を見つめていく様子までが紹介されている。
著者は、アレフ脱会後、聖地巡礼の途中で、ある神社の宮司に「宗教に失敗してここにきました」と挨拶している。オウムが犯した罪は、実行犯が処罰されることで償われるものではないはずである。元信者は、実際に教団の存在をなんらかの形でサポートしていたことになるし、また、同時代を生きて、オウムの存在を知っていた人間も、存在を許してしまったという罪があることをしっかりと自覚していたい。
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