グールドのゴールドベルグ変奏曲とくると、どうしても
55年の録音と比較する人が多いように思う。
結論からいうと、どれも存在感のあるバッハだ。様々な
バッハの発想や思いを、ピアノという楽器でここまで
表現できるピアニストは今後も出ないだろうという
思いが強い。
55年の録音と比較して、演奏が遅いと思う人も
多いのかもしれない。しかし諸井誠氏も、
LP時代の解説で詳細に記しているが、
全体として遅い傾向があるものの、実は速い変奏曲も
ある。総体的に55年の演奏と比べて緩急が明確で、
聴けば聴くほど様々な発見がある。その点は、
新しい時代を切り開いた斬新さがある55年の
録音と異なっている。
個人的な意見からすれば、この録音は聴きやすい。録音が
デジタル録音だからではない。より「バッハ」の中に入って
いて違和感を感じないからだ。
それでいて様々な演奏家としてのアイデアやポリシーが
十分に盛り込まれていて、遅い変奏曲も速い変奏曲も
満足して聴くことができた。隅々まで行き届いた名演奏
だと思う。
正直、老演奏家としての懐の深さを聴こうと思うと、
この演奏はハズレだろう。老いはここでも全く感じない
からだ。そこがグールドらしいし、バッハだからこそ、
こういう演奏がふさわしいと思う。
ちなみに映像を見ると、55年当時のグールドより
老けたものの、その演奏姿勢はあまり変わっていないこと
が分かる。多分映像を見たら、冴えがない!なんて
言えないと思うが・・・。
前作COLLECTIVEから5年振りの今回のコンピ、作曲編曲は井内さん率が高めで年代もかなり幅のある選曲の2枚組となっています。
曲調の異なる曲が混在していても一つのアルバムとして軸が振れず、一曲一曲のクオリティも相当に高く、そしてなによりI'veっぽい。
昨今テクノ、トランス、ハードコア等の成分を含んだエロゲ主題歌は特に珍しくもない感じですが、I'veSoundをまとめて聴くと編曲者に関わらずやはり他とは全く違う。
これからの季節にぴったりの、温かくてちょっと濁ったサウンドが存分に堪能出来ると思います。
やたら人を選ぶ曲や、アップテンポでサイケな感じの曲は今回不足気味(要するに高瀬さん)。
とにかく、ガールズコンピがまた制作されたという事が一番重要な事じゃないでしょうか。
ウィトゲンシュタインに何となくの興味はありましたが、難しそうで敬遠していました。 透明標本も、以前から綺麗だなとは思っていたのですが、グロテスクに見えてやはり手付かずでした。 でも二つが組み合わさって少しとっつきやすくなり、 このタイトルとジャケットで即買いでした。
「語ることのできないものについて人は沈黙しなければならない」という言葉と、 沈黙したままの透明な標本写真。巧い組合せを考えたものだと思います。
収録されている言葉は、結構痛いところを突いてきます。 「自分を欺かないことほど困難なことはない」 「罪を負った良心は簡単に告白できよう」 観念的な言葉も多いですが、こんな風に生々しく、人の一面をえぐる言葉もまた多いです。
透明標本は、綺麗だとは思うもののやはり多少グロテスクでした。 でもこれらの言葉と組み合わさると、 グロテスクだからこそ、力強さに繋がるんだと思えてきました。
綺麗なだけではない有りのままの姿、 同じように人間を表した言葉、 それらが持つ力強さの符合。 そして改めて、人間の繊細さや標本の綺麗さが際立って見えました。
どちらの魅力も十分に引き出し合っている組合せです。 これらを組み合わせようという、企画自体が素晴らしい本でした。
作品は「レキシントンの幽霊」あるいは「村上春樹全作品(5)」 に掲載されているものと同じです。 作者の写真、プロフィール、年譜、用語の注解がついています。 「集団読書テキスト」シリーズの一冊なのでその用途に使う方か あるいは村上春樹に関するすべてを集めたいマニア向けですね。
Wiiのバーチャルコンソールで、初プレイしました。戦闘はオーソドックスなコマンドバトルで、やりやすいと思います。少しテンポに難ありですが。あと町でアイテム購入時に、複数買いが出来ないなど、古いゲームならではの不便さはあります。ただこのゲームの命はシナリオです。これは本当に素晴らしいの一言です。作りの古さに耐えエンディングに辿り着いた時、本当の感動がそこにあります。
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