IT産業のCEOを紹介するという凄腕ヘッドハンター「ロジャー・ブラウン」は画廊を経営する美貌の妻と贅沢な生活を楽しんでいた。その実ロジャーは相手が高価な絵画を持っていると知ると、忍びこんでは贋作とすり替えるというこれまた凄腕の泥棒でもあった。今度の標的「クラス・グリーヴ」の持つ第二次大戦中にナチスが隠したといわれるルーベンスの作を狙ったが、どっこいグリーヴはITの専門家かつレンジャーあがりの怖い人殺しで、ロジャーは逆にGPS追跡の網から逃れられない窮地に立たされる。そして脈絡もなく人が殺されていく。妻がはたしてグリーヴに惚れて自分を裏切ったのか、そうでないのか、といった謎を絡めたあたりはいかにもネスボー氏らしいひねりが効いているが、「ハリー・ホール」シリーズの緻密さにハマった者にはこの単発作はとにかく粗っぽい。今流行りのトランスミッター技術を盛り込んだハードボイルド劇として割り切ればそれはそれでいい味がでている。
ハンコックらしいですね。前作のヒットに続けて同じノリで、もう一枚というのが。
"HEADHUNTERS"はいろいろな意味で画期的なアルバムでした。音楽的にもそうですが、セールス的にも画期的でした。もちろんハンコックの経歴の中でも特筆すべきものです。
本作は前作で確立された、いわゆるハンコックのブラック・ファンクものです。ジャズとファンク・ビートとシンセサイザー等のエレクトリック・インストルメントの奇跡的な融合です。
本作ではジャズ・フレイバーは若干抑えられていますが、その分ブラック・ファンク度は濃くなっています。ハンコックもふっ切れているようです。この辺はプロデューサー、デビッド・ルービンソンの指導かもしれません。ハンコックとデビッド・ルービンソンの関係はマイルス・デイビスとテオ・マセロとの関係に似ているような気がします。
名曲'BUTTERFLY'でハンコックは作曲の面でも新境地を開拓しています。個人的にはこの頃がハンコックの全盛期だと思います。作曲、演奏も含めてこの頃が一番クリエイティブだったと思います。
やっぱり「カメレオン」。この曲を思いつくだけでもかなり凄いが、各プレーヤーが非常にストイックに、与えられたフレーズを延々繰り返すまさにファンクネスな展開。ハンコックはその「カラオケ」をバックに実に自由にムーグのフィルターを捻り続ける。1人だけ、ハンコックの「煽り」に耐え切れず暴れだすハーヴィー・メイスンが痛快!そしてその倍返しで後半ローズ・ピアノでハーヴィーにキッチリおしおきするハンコック。・・・超カッコいい。 あと何というか、とても人工的な定位の録音である。おそらく同時録音のはずなのに(前出「カメレオン」は最初と最後でテンポが違う 笑)とてもドライな音質だ。それがこのアルバムを現代まで生き延びさせている・・というか今聴いても遜色ない!
"Chameleon"
"Sly"
が◎。
リマスター→良好
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