「深夜特急」のルートの内、アフガニスタンを除く全行程を丹念に辿った旅の記録です。
またルートだけではなく、沢木耕太郎氏が当時宿泊したホテルも可能な限り探し当てています。
(もっとも香港の「金宮招待所」はそもそも実名ではない、と沢木氏自身がSWITCH誌で語っていましたが。)
安直な企画と嗤う人もいるかもしれませんが、実際にここまで若き日の沢木氏の足跡を追った人はいないでしょう。
写真も豊富ですので、「深夜特急」に一度でも触発された経験のある方は、入手可能なうちに買っておくことをお勧めします。
ちなみに私自身、これを読んでペナン島・同楽旅社へ行ってしまいました。
カースケらしい生き方とは何か?グズ六らしさとは?オメダらしさとは?3人が3人共に人生の岐路に立った時、それぞれの再出発を選択する。所詮人生は一度きりの永い旅路であるとすれば波瀾万丈であろうが自分の信ずる道を歩むほうが幸福である筈だ。3人の選択はそんな想いを抱かせてくれる。そしてもう一人、ヨーコにとってもまた、女の幸福を手に入れたと偽ってまでもカースケを励まし送りだした選択こそが彼女の真実の幸福を手に入れる為の選択であり再出発だったであろう。カースケを慕い続けた彼女自身の青春に訣別する事がヨーコの20年目の選択だったのではないか。カースケが意気揚々と旅立つ日、同じ青空の下ヨーコもまた、笑顔で幸福への旅路を歩んで行く。
ただただ日テレのドラマはリマスターを希望します。大傑作なのだから‥
このムックは、番組後半の社会人編である。DVDには26話から最終回までの予告編と、グズ六の兄(中尾彬)が登場する第39話と最終回を収録している。本は、時代ゆえ写真が少ないのは仕方ないが、各回のあらすじのほか、脚本家・ゲスト・時代背景・他の青春ドラマ紹介など多角的に取り上げていて読み応え十分。その後作られた3本のスペシャル、さらにエンディングの詩の紹介もうれしい。
「俺たちの旅」はなぜかDVDではレンタルされていないので(ビデオテープの時はあったのに)、手ごろな価格で家庭で楽しめるのはありがたい。できればこのムック方式でも全話発売して欲しい。
日テレのあの時代の名作ドラマが今回 Blu-ray化して発売されます。第一巻には9話収録。BDの大容量を利用しての旧作テレビドラマのソフト化が大々的に始まったようです。うれしいですね。
私は中学の時再放送で見たクチなのですが、俺たちの旅は奔放に生きるカースケ、気弱だけど優しいオメダ、ダメなんだけどなぜか良くもてるグズ六さんの3人を中心に彼らを取り巻く人々と彼らと出会う様々な人たちとの出会いと交流、楽しいことや苦い経験を描いた青春ドラマです。
10年ごとに制作された続編も今回最終巻には収録されるそうです。カースケと洋子の恋愛は「十年目の再会」の時、描かれた物語で胸が痛くなりました。小椋佳さんの「少しは私に愛をください」が挿入歌で流れ
「やさしくしないでよ、私にやさしくしないでよ!」と砂浜で逃げ出す洋子。彼女にはカースケたちと歩んだ青春の日が懐かしく、そして切ないのでした。青春の日をともに歩んだからこそカースケに飛び込めなかった自分。振り返る青春の日は、人生のすべてではなく彼らにとっても今も続く人生の旅なのです。
「年をとる度に寂しさは増していく。されど心は俺たちの旅」
ずいぶんあの日から遠くへ来てしまいましたが、こうして再びソフト化されることで一つの時代の雰囲気が
甦るような気がします。1巻ずつゆっくり購入していこうと思っています。
|